Qさんは、かつて「知恵は借り物でも知恵である」と書きました
そういうことをおっしゃる人の知恵ならいくら借りてもモンクは出ませんね

第466回
邱さんは自分の投資セオリーに忠実です

邱さんの『株が本命』の目次には
「大暴落は持株を入れ替える絶好のチャンス」
といったタイトルと並んで
「ナンピン買いは自信と勇気のある人の特権」
というタイトルも目に入ります。

私がこのタイトルに接したとき、
「ナンピン買い」という言葉を知りませんでした。
読めば、「ナンピン買い」は
買った株が値を下げたとき、
その時点でその株を買い増し、
全体としてその株の買値の平均を
下げることだということがわかりましたが、
果たしてそんなことができるのかといぶかりました。

しかし、平成2年から3年ごろにかけてのことですが、
邱さんが盛んにナンピン買いをされていることを知りました。
どうして私がそんなことを知ったかというと、
当時、邱さんが『バブルのあとの物語』という連載を
『SAPIO』誌に書いていまして
そこに次のような文章があったからです。

「私は口先だけでやる評論と違って、
自分で不動産も買えば、株もやる方だから、
6ヶ月にせよ、1年にせよ、
景気に対する読みを間違えれば、
かなりの損害を招く立場にある。
現に90年3月の下げの時も、90年9月の時も、
また91年8月のソ連のクーデーターの時も
私はすかさず買った。
おそらく年末が底になるだろうと考えて、
91年末にも株の仕込みをやっている。

ここの所下げる度に下値を拾い、
途中で少々相場が戻っても
まったく売っていないから、
株数はふえるのに、財産は減る一方である。
たとえば日立なんて株は
1400円を割った時からずっと買い下がってきて、
700円まで下がっているから、
財産が半分近くまで減ってしまったようなものであろう。
それでも私が懲りないでいるのは、
どこが下値かは過ぎ去ってみなければ、わからないし、
下げれば買い、下げれば買いを続けなければ、
下値を拾ったことにならないとおもっているからである」
(「どんなときも借金して株をやるな」
 『バブルのあとの物語』に収録)

この文章は平成2年から4年くらいの間、
経済の基調が大きく変化するなかで、
邱さんが経済の先を読むことの困難に
直面されている様子を伝えるために書かれたものですが、
私はこの文章が書かれた頃、
邱さんの株にお金を投じる際の考えに
興味を持っていまして、
「邱さんて、自分のセオリーに忠実な人だ」
と思い、たいそう感激しました。

というのもこの世の中、自分が口に出す言葉と
行動が一致しない人が結構多いのですが、
邱さんは自分で立てたセオリーにしたがって
行動する人であることがハッキリわかったからです。


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