| 第464回「大暴落は持株を入れ替える絶好のチャンス」
 邱さんが昭和63年に出版した『株が本命』の目次に目を通したとき、
 「大暴落は持株を入れ替える絶好のチャンス」
 といった活字が目に飛び込んできました。
 こういう言葉に接すると、邱さんの言葉をありがたがる傾向の強い私も、
 「本当にそんなことができるのかなあ」と
 いぶかる気持ちの方が先に立ちました。
 というのも、相場が大きく落ち込んで、
 新聞に「株価大暴落!」なんて活字が書かれると、
 「君子危うきに近寄らず」と
 株の世界から遠ざかっておきたい気持ちになるからです。
 しかし、邱さんは自分にやれないようなことを人に言うような人ではありません。
 たとえば、昭和62年10月19日の「暗い月曜日」、
 俗に、ブラック・マンデーと呼ばれた日ですが、
 アメリカで1日に22.6%、日本で14.9%と
 株の歴史が始まって以来の下げ幅を
 記録したことがありました。
 その日、邱さんは新日鐵株と富士通株を
 買っているのです。
 そのころ私は、北九州市にある八幡製鉄所に勤務し、
 新規の仕事探しに夢中になっていましたので、
 ブラック・マンデーの日のことも、
 また邱さんがその日にとられた行動のことも
 視界に入らなかったのですが、
 幸いにしてこの日の邱さんの行動は、
 邱さんが書かれた本にちゃんと掲載されています。
 たとえば、『お金があって気がきいて』(日本経済新聞社 平成2年)
 という本に、掲載されている
 「財テク事始め」という連載作品は、
 昭和63年の1月号から12月号まで
 ある月刊誌で書かれたものですが、
 この連載は「大暴落の日、私は成り行きで株を買った」
 という作品から始まっています。
 こういう作品を読めば、大異変が起こったとき、
 邱さんはどういう行動にでたのか、
 またその結果はどうであったかを
 確かめることができるのです。
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