第461回
人の行く裏の道を歩くことにしよう
私は邱さんが株について書かれた文章を読むと、
なぜ自分が株で失敗したのか、
その原因が見えてきます。
私は下がり続けることになった株を買ったとき
“鉄冷えの街”といわれていた
北九州市の八幡製鉄所で仕事をしていました。
ここで仕事をしていると、
バブル胎動の動きなど少しも伝わってきません。
わずかに、隣の福岡市で地上げの騒動があり、
新聞やテレビの報道が日増しに活発になったのと、
留守宅を守ってくれている妻が、
近頃、東京のマンションを売りませんか
という勧誘の電話が
よくかかってくるようになったといったことで、
少し騒がしくなっているようだと感じた程度でした。
しかし、今から思えば、僅かに聞こえてきた
外界の動きが、都会の不動産が高くなり、
つづいて株価が急騰していくという傾向を
伝えてくれていたわけで、
私はそうした時期に株を買ったわけです。
バブルの振動が伝わらないところで、
仕事をしていたというものの
株価が上へ上へと動き、
人が我も我もと兜町の方面に向かって
お金を投じていた頃に
自分も株を買ったことが明らかになってきます。
ここから一つの教訓が生まれます。
株で成果をあげようとしたら
みんなが株だ株だと騒ぐような時はそっぽを向き、
相場が下がり、証券会社に人が集まらなくなったころに、
株を買う行動に出なければいけないということです。
このことにきづくと、
私の株に向かう態度が一変ます。
例えば私が2200円で買ったNECの株は
900円近くまで下げましたが、
こういう時こそ株を買うチャンスだ
ということになるのです。
つまり、人のあとをついていくのではなく、
人が動く道の裏側の道を歩く必要があるぞ
ということになるのです。
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