第459回
高値づかみをした人の心理がみえてきます
私は2度目に株を買ったとき、
買った株はどんどん値を下げて、
仕入れ値の3分の1程度にまで下がってしまい、
身動きできないようになりました。
そういう状態におかれると、
その状態から目をそらしたくなりますが、
邱さんが株について書いた本を読んでみると
どうしてこういうことになったのか、
根本的な原因が見えてくるから、驚きです。
たとえば、『株の原則』で邱さんは
次のようにおっしゃっています。
「人気が過熱状態にあるときに、株を買うのはダメです。
人間の心理は、過熱しているときには、かならず、
もっと上に行くんじゃないか、と思うんですよ。
つい、どこまでも追いかけたくなる。
だから、株式投資には克己心が必要なんですね。
まず、最初にお話しておきたいことは、
株式投資には、自分を抑える克己心が
絶対に必要だということです。
株式投資は、金儲けではあるけれども、
精神修養でもあるんです。
金儲けを実現するためには、
相当、自分の心をコントロールできないといけない。
のぼせあがったら、収拾がつかなくなります」
(『株の原則』)
読んでいるうちに、薄紙がはがれるように、
自分が株を買いに走ったときの気持ちが思い出されます。
邱さんは最近も相場が活況を呈したときに
株を買いに走った投資家の心理を活写しています。
「株価の上がる時は
会社の業績がよくなるか、
景気のよくなる時ですから、
皆が株を買いにまわります。
安くなるのを待っていると、
待っているうちに他人に買われて
買えなくなるのではないかと心配になります。
株価が、急に上がりはじめると
もっと高くなるのではないかと心が焦って
ついとびつき買いをしてしまうのです。
安い時は振り向く人もいないのに
高くなると、株を買う人が増えるのは
こうした人間心理の弱点があるからです。
ですからこうした弱点を克服するだけの
強い意志を持っていなければ、
株式投資では成功できません。」
(「第23回 株の買い時も売り時に負けず難しい」)
こういう文章を読むと、自分の思慮不足が
いやというほどよくみえてきます。
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