| 第456回「初心者のときは指値買いだけ考えておけば十分です」
 株を買いたいと思って、証券会社に購入の仲介をお願いすると
 「指値買い」をしますか、
 それとも「成り行き買い」をしますかと聞かれます。
 この2つの買い方について『株の原則』に説明があります。
 「指値買いとはこの値段で買ってくれと頼む買い方です。たとえば、株価が250円から260円のあいだを動いている。
 いま257円になったけれども、そう急ぐこともないし、
 急にあがることもなさそうだから、少しでも安いほうがいい。
 こう思って、255円なら買ってくれ、
 と頼むのが指値買いです
 指値買いをするのは、まず1円でも安く買うためです。急に株価が上がっていくわけでもないですから、
 とにかく安く買おうとするときに、指値買いをする」
 (『株の原則』)
 もうひとつは「成り行き買い」です。「成り行き買いのほうは、
 これからつく値段でいいから、
 1000株買ってくれ、と頼む買い方です。
 こちらは、1円でも安くというわけにはいかない。
 そのとき、売り物がいっぱいあれば、安くなるけど、
 品薄だったりすると、高値のものを買うしかない。
 255円のものが売切れたら、あとは265円のものしかないとか、
 10円ぐらいのちがいは、しょっちゅう起こります。
 証券会社は、10円上値でも、
 知らん顔をして買ってしまうんです。
 だから、成り行き買いをするのは、
 株式市場の先行きが非常によくなりそうだ、
 グズグズしていたらバスに乗りおくれるぞ、というときです。」
 (同上)
 そして「まあ、初心者のときは指値買いだけ考えておけば十分です」
 というのが邱さんの結論です。
 私は邱さんと是川銀蔵さんが対談している記事を読み、お二人が当時、自分が勤務していた新日鐵株を
 推奨なさっていることを知り、
 この株なら自分でも買えると思い、
 始めて株を買うことを決めました。
 それは私が『株の原則』のオリジナル本だった『邱永漢の株入門』を読んでから
 5年もたった後のことで、
 本を読んで得た知識はあらかた忘れていましたが、
 株を買うときは指値で買うものだという
 邱さんのアドバイスが頭に残っていたのでしょう、
 きちんと指値をして株を買いました。
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