| 第454回「他人に責任を転嫁できない位置に自分を置くことが必要です」
 どんな会社の株を選ぶのか、そういうことも自分で選ぶとしたら、
 結構エネルギーがかかるような気がします。
 私たちはしばしば、
 「このことについてはあの人が詳しいから
 その人に決めてもらおう」とか言って、
 その人の判断に任せてしまうところがあります。
 本来なら自分で決めなくてはいけないことを
 他人に決めてもらおうとするところがあります。
 同じような意味から、株を買うときも買う銘柄を人に決めてもらおうとするところがあります。
 そういう態度に対して邱さんは、株を買う場合も、
 「他人に責任を転嫁できない位置に
 自分を置くことが必要です」
 と指摘し、次のような実話を披露します。
 なんでも株のことを人に対してあれこれアドバイスするような類の
 商売をしている人がいて、
 その人が肝心の自分のお金になると
 どこの会社の株を買えばいいのか迷ってしまい
 邱さんにアドバイスを求めてきたというのです。
 この話に続けて、邱さんは語っています。
 「信託銀行のなかには、顧客から金を預かって、代わりに運用管理をしてあげます、というのがあります。
 ところが、こちらは石橋を叩くようなやり方ですから、
 ちっとも利益があがらない。
 インチキも困るが、石橋を叩いて渡らないのも困る。
 株式投資というのは、本来冒険的要素の強いものですから
 他人に責任を転嫁できない立場に
 自分を置くことが必要なんです。」
 つまり「自分を逃げ場のない状態に追い込む」のがいいとおっしゃっています。
 株のことであっても、邱さんの話には
 どこか人生論風のムードがただよっていて
 興味を深めてくれます。
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