第452回
「魚は潮の流れに乗って動いていきます」
時代の変化に目をつけて、
世の動きをキャッチする着眼点として邱さんは
「波の高低でなく潮の流れを見よ」
という言葉を使われます。
たとえば、昭和63年に出版した『株が本命』には
次のような文章が記載されています。
「海に潮の流れがあるように
人や物の動きにも流れがあるし、
お金の流れにも動きがある。
人や物の動きが変わると、お金の動きも変わり、
それが会社の業績を変え、株価の動きも変える。
だから、経済の動きを一定の距離を保って、
遠くから見ることができさえすれば、
ここは近づいてよいとき、
ここは出漁を控えるとき、
ということがいやでもわかってくるのである。」
(『株が本命』)
邱さんによれば、
「株価の将来を決めるのは波の高低ではなく潮の流れ」
(同上)で、世の中の動きを観察し、
そこで起こっている変化を見定めることが
大切だということなのです。
そうした邱さんの目からみれば
「証券会社のセールスマンは
浜辺で海を見ている人のようなものである。
黒板を見ていると、刻々と株価が動く。
波が高くなったり、低くなったりするようなものである。
海には波の静かな日もあれば、荒れる日もある。
時には台風の襲来する日もあるし、津波になれば
陸にいる人までさらわれたりすることもある。
しかし、波を見て一喜一憂しても、
海に乗り出していかなければ、魚はとれない。」
(「同上」)
大事なのは魚をとる方法です。
邱さんは指南します。
「魚は潮の流れに乗って動いて行く。
魚のとれる、とれないの原理は、
波の高さや低さではなくて、
魚のいる潮の流れにこちらが乗れるかどうかである。
従って潮が見えなければ、
収穫にありつくことはできないのである。」
(同上)
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