第446回
「儲けることもあれば損することもあるのが株式投資です」
邱さんは、『株の原則』で、
「株の生い立ち」についてふれています。
商売を始める場合、最初は親戚や知人が集まって
お金をだしあう形をとっていたものが、
次第に何人もの人が株を持って、
株式会社をつくるという形をとるようになり、
やがて、誰もが株を売買できるようになり、
次第に株が社会資本という形になった。
そして、この株の誕生により
「私たちがお金をなにに投ずるか、
どうやって財産を保有するか、
という投資の仕方が生まれてきた」
とのことです。
さて、いまの時代、株にお金を投じようかと考える人が
知りたいと思っていることは、
「株」ってどういうものなのか
ということではないでしょうか。
この点について、邱さんは「預金」と対比させつつ、
「株」への投資の性質についてふれています。
「預金も一つの形態です。
元本が保証されて、利息がつく。
しかし、元本が保証されているといっても、
額面だけのことであって、
中身まで保証されているわけではありません。
インフレになれば目減りしますから、実質保証は、
なんにもしていないということになります。
もっと保証されていないのが、株です。
自分が買った値段を維持できないし、
額面を割ることだってある。
そのかわり、いったん会社が金を儲ければ、
株価もぐんぐん上がっていく。
つまり、射幸心を刺激しながら、資金を集めて、
それを商売に使うわけで、わりあい、
いまの時代に合った合理的な制度といえるでしょう。
したがって、多少は射幸心があるというか、
うまくいったらひと山あたるんじゃないか、
という気持ちで始めるわけですから、
そういうことが嫌いな人は、株はやったらいけない。
この制度では、金儲けのチャンスもあるけど、
損するチャンスもある。
株を買うからには、この金が半分になるぞ、
という覚悟が必要なんです。」
(『株の原則』)
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