第393回
好きでなかった仕事も好きになれば、目的達成
「押してダメなら引いてみな」という言葉があります。
方法は一つではないよ、
一つの考えでうまく行かなかったら
別の方法でトライしたらどうか
という知恵を伝えてくれる言葉です。
『野心家の時間割』に記述されている
「努力して好きになるのも好きのうち」というアドバイスは
「寝食を忘れさせるほどの仕事を探せ」とか
「時間を充実させるには好きな仕事を探せ」
というアドバイスに
劣らない効用があるように思いますので、
引用を続けさせていただきます。
「未知のものを探してとび出すこともむろん、
ありえないことではないが、
どうせ“青い鳥”を探して彷徨しても
“青い鳥”がみつかることは少ない。
自分の実力はこの程度で、
自分のおかれた環境は大体、こんなものだから、
いまあたえられた条件の中で
ベストを尽くすのが自分にふさわしいのではないか、
と悟ってくれればしめたものである。
好きなものを見つけに歩いても、
好きでなかったものを好きになっても
好きなものができれば、人間の対処の仕方は同じである。
たとえば、自分の職場が好きになれば、
仕事をやることが少しも苦痛でなくなるから、
朝か早くても、夜が遅くなっても
少しも気にならない。
仕事が面白くなれば成績を上げようと思って努力するから、
そのために時間が欲しくなり、
家へ帰っても『仕事は仕事』
『生活は生活』ということにならなくなり、
『仕事そのものが生活』になる。
会社の仕事をそのまま持ちかえらないまでも、
仕事に役立つような知識を得ようとして、
家へ帰ってから読書をしたり、夜学校にかよったりする。
また家から会社までの通勤時間を、
仕事に役立てようと思うから
電車の中での時間が無駄に浪費されるのが惜しくなる。
職住近接という考えは昔からあるが、
実は『仕事』と『プライベートな生活』の接近の方一足先で
職住近接はそのあとからついてくるものである」
(『野心家の時間割』)
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