第392回
「努力して好きになるのも好きのうち」
「起業」という言葉に魅力を感じ、
あれこれ研究してみるものの、
自分がたどりつきたい目的地を明らかにできず、
悶々となさっている方がおられます。
あるいはまた「寝食を忘れさせるほどの仕事」を
探し回っているけど、
そういう仕事にめぐり合えない
という人もおられます。
そういう人にとっては、
“青い鳥”探しをいったんストップし
自分の周辺で、挑戦すべきテーマがないか、
探し回るという手もあるのではないでしょうか。
邱さんの『野心家の時間割』には
「努力して好きになるのも好きのうち」
という文章があります。
『野心家の時間割』には
「寝食を忘れさせるほどの仕事を探せ」とか
「時間を充実させるには好きな仕事を探せ」とか
刺激的で、マンネリ化しがちな自分を見つめなおす
きっかけを与えてくれるアドバイスがありますが、
「努力して好きになるのも好きのうち」という忠告も
実際に役立つところの多い言葉だと思います。
以下に引用させていただきます。
「手に合わない仕事に見切りをつけて、
好きな仕事に乗りかえるのも一つの生き方であるが、
死ぬほど気に食わない仕事であれば、
逆に仕事を好きになるよう努力するのも
一つの生き方である。(中略)
さほど仕事が好きでなかった人が、
仕事が好きになるきっかけはいくつか考えられる。
まず第一は上司に認められることである。
何かのきっかけで、力量を認められ、
人から目をかけられると、
人間は俄かに張り合いが出てきて、
仕事が面白くなる。
仕事が面白くなると、いろいろ工夫もするし、
努力もするからますます成績があがって、
ますます目立つようになる。
第二に人事異動で、
いままでと違った部署に配置転換され、
水を得た魚のように、俄かに勢いづいた場面である。
人事課にいた人が宣伝課にまわったとか、
総務課にいた人が営業課にまわった途端に
『これこそオレの仕事だ』と思うようになったとすれば、
人間には案外、向き不向きがあって、
机に向かって座っておれないような人もあれば、
机に向かっていないと仕事ができない人もある。
第三に結婚したとか、子供が生まれたとか、父親に死なれたとか
責任を痛感したのがきっかけで、仕事に自覚ができる場面がある。
年齢的に、それを自覚する時期にきているといった場合は、
とくに見違えるほどの変化が現われる」
(『野心家の時間割』)
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