第386回
「いつの時代も安定を選んではいけない」
いま世の中が不安定になっていますから、
安定した生き方を求める欲求が高くなっています。
この点について邱さんは、
いまどのように考えておられるのでしょうか。
恐縮ですが邱さんの“もしQ”
第61回「安定を選んではいけません」を
一読していただけませんか。
このなかで邱さんは「就職」の話を例にして
いま「安定したように見える会社」より、
「いまは中小だけど
将来大きくなる可能性を持った会社」を選ぶ方が
いいとおっしゃっています。
「私の友人の子供たちの就職先の世話をしながら、
いつも就職先の選び方には異議を唱えてきました。
私が見ると、
いま一流会社と世間から思われている会社でも、
時代が変わるといつまでも
一流会社でおられなくなることが多いのです。
そんな会社に就職をするよりも、
いまはまだ中小企業に見えるけれど
将来は大企業になる企業に就職したらどうですか。
その方が出世も早いし、重役になる確率も高いですよ。
いくら私がそう力説しても、
親も本人も私の言うことには耳を傾けません。
その時、世間が一流と目している会社を選びます。
どうしてかというと、その方が世間のきこえもいいし、
嫁さんを選ぶ時も有利だからです。
考えて見ると、世の中がまだ不安定だったから、
安定を第一に選んだんですね。
その頃、安定を選んだ人がいまは定年近くなって、
会社の人事から肩を叩かれているんです。
本当はいつの時代も安定を選んではいけないんです」
邱さんのこの考えの根底には
「世の中は時間をかけながら変化していく」
という考えがみてとれますが、
「安定を選んだ人がいま肩を叩かれている」とは
いま、まさに私たちの目の前で起こっていることで
この文章、迫力がありますね。
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