第366回
いまの若者には国境の意識は薄らいできています
昨年の5月、NHK衛星第1放送から
中国経済の躍進ぶりを伝える報道のなかで、
危機感を募らせる識者の見解に対し、
邱さんは「日本がどうだ、こうだというような考えは
40歳以上の人間の発想で、
若い人にはそうした垣根はないですよ」と発言しました。
とても印象的な発言でしたが、
邱さんがおっしゃったことは
我が家でも起こっていることだと思いました。
というのは我が家の長男は
私が邱さんの
『子育てもお金の教育から』を参考書にして
育ててきた子供ですが、
いまは長じて脳神経外科の医師になり、
アメリカの西海岸で研究活動に従事しています。
この息子は2年の間研究して日本に帰る予定でしたが、
この番組の放映があった前日、
嫁が本人の意向を伝えてきました。
それによると
「臨床に役立つための方法を研究する目的で
アメリカにやってきたのだけど、
予定通りに研究をすすめることができたので、
こんどは研究したことを臨床の場で
応用する活動をしたくなったので、
そういう活動がやれそうな場所を
カナダあたりで探しはじめた」
というのです。
その話をきいた妻は
「この先、6、7年は帰ってこないんじゃないかな」
とつぶやき、心底そう思ったからかどうかはわかりませんが、
じっとしていたのでは息子に会えないと思ったのか
その夏に、息子夫婦の住んでいるアメリカの西海岸に行きました。
私は私で、邱さんの見方に刺激され、
いまの若者たちの視野には国境の垣根への意識は
薄らいできていると思ったことでした。
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