第347回
後半の人生への不安感が薄らいだのが一番の変化です
将来について考え悩む青年が
私に投げかけてきた2つ目の質問は
「会社に属していたときといまの立場とで
心境などに大きな変化はありましたでしょうか?」
というものでした。
私は次のように回答しました。
「独立するということは
自分でお金を稼ぎ出すということです。
しかし、実際には自分の力だけで
お金を稼ぎ出すことができる人は
ほとんどいないのではないでしょうか。
だから独立したいという気持ちを持った人も、
たいていの場合、最初はどこかの組織に属して
仕事の見習いをすることになります。
そしてその一員になった組織も、当然のことながら
お金を稼がない、と生き続けていくことができませんから、
どうしたら商品やサービスを売り込むことができるか、
新しいお客を見つけるにはどうしたらいいか
といったことを考え、実行することになります。
そして営業をすることの大切さを
痛感するようになります。
そんなこと、いわれなくてもわかっていると
思われるかもしれませんが、
体験してみてはじめてわかるというところがあるのです。
一方、そうしたことを勉強することが
そのまま、どうしてお金を稼ぐのかを知ることにつながり
こうした体験を通じて、自分ひとりでお金を稼ぎ、
独立開業する要領を体得することになるわけです、
実は私は10年ほど前に入門した
研修グループにいまも身を置いていて、
文字通りの独立自営業者ではないですが
必要があれば、明日からでも自営業者に転じることが
できると思っています。
そんなことで、30代半ばのとき、あるいは40代後半の頃、
後半の人生について抱いていた不安感も
すっかり薄らぐようになりました。
これが一番の変化でしょうか。
それと自分の道を自分で選ぶと
泣き言を言わなくなりますね。
とかく決断を人にゆだねると、
うまくいかなくなったとき、
こうなったのは、あいつのせいだと、
人のせいにしがちですが、
自分で道を選べば、うまく行かなくても、
文句をいっていく先がありませんから
自分で考えて行動するほかなくなり、
決断力が高まるのではないでしょうか。」
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