第344回
一歩踏み出す前の悩みは誰にもあります
私の講演をきいてくださった青年から
質問状をいただき、そのメールには
必ず回答しなければいけないと思いました。
というのも青年からいただいメールを拝見して、
かつて迷いに迷っていた自分のことを思い出し、
他人事とも思えなかったからです。
私にも、新しい道に出たいと思いながら
どういう道に出たらいいのかわからず
悶々とした時期があります。
私がそういうことで悶々とした時期はひとつでなく
30代半ばの頃もあれば
40代後半のこともあり、
とくに後者の時には切迫感が強く
自分の悩みを他人に訴えたくなりました。
私が悩みをきいてほしいと思った相手は
ほかならぬ邱さんで、手紙も書きましたし、
邱さんの講演会に出かけ
講演を終えて車に乗られる邱さんに向かって
自分の名刺を差し出したことがあります。
だから青年から質問状をいただいて
昔の自分の姿を見るような思いがしたのです。
そしてその頃、自分が感じていた悩みも
浮かんできました。
そして、頭のなかでは
なんとかしなければいけないと思いつつ
具体的にどうしていいのかわからず
一人思い悩むということは誰にもあるものだと思いました。
そしてこのメールには必ず
返事を書かなければいけないと思いましたが、
気軽に書けるようなものではなく、
少し時間を置いてから書くのがいいと思い、
「近々メールでご返事をすることをお約束します。」
と書いてとりあえずの返事にしました。
するとさっそく青年から返事があり、
「お返事を頂けるとのこと、身に余る思いです。
“何か行動を起こそう”と思いながらも、
できることは人頼みである自分に嫌悪感を抱きつつ、
藁をも掴む思いで勝手なお願いをしました。
ご多忙中のこことお察ししますので、
お時間の許される時でけっこうです。
お返事いただける日を心待ちしております。
なにとぞよろしくお願いいたします。」
と書かれていました。
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