第342回
留学生の面倒をみるのは日本人のつとめ
私たちは海の向こうの中国とかかわりをもつことで
チャンスを得たいと考えますが
中国大陸に住む人々は、
アメリカや日本にわたってくることで
チャンスを得たいと考えます。
いま中国大陸から日本に
どのくらいの留学生が来ているのか知りませんが、
日本に留学するには
身元保証人になってくれる人が必要です。
私が邱さんについて北京を訪れた直後のことですが、
北京に住んでいるある1人の中国人青年が
日本の大学で勉強したいと考えるようになり
身元保証人になってくれる日本人を探していました。
たまたまその探索を頼まれた人が
私に目をつけ、その青年の身元保証人になって
ほしいといってこられました。
私は大陸にすむ中国人は日本には知人が少ないだろう、
たまたま自分は北京でマンションを持つ楽しみを
味わせていただいているのだからと考え
頼まれたことを引き受けました。
私が身元保証人になった中国人の青年は
日本にやってきて、邱永漢アジア交流センターの近くにある
日本語学校で日本語を勉強したあと
明治大学の建築学科に入学しました。
大学で勉強した後、さらに大学院に進み、
日本の総合電機メーカー系の建築会社に入社し、
いまは若手社員としてがんばっています。
先だっても、これからの進路展開について
意見をききたいというので、我が家にきてもらい
今の勤め先での働きぶりをきくことがありましたが、
日本のサラリーマンとしての生活が板につき、
中国人青年も日本で社会人として生活すれば、
日本人になるのではないかと思ったことでした。
私は彼に対し、さいわい日本人の仕事の仕方に
精通するようになったのだから、
そうした利点が活かせるような仕事を
開拓できるといいねえと話しました。
考えてみればと、中国人青年と
世代や国籍の違いを超えて肝胆相照らしながら
話ができるなんて、楽しいことです。
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