第340回
「これからの日本人に必要なのは普通語と英語」
「普通語」(プートン・ホワ)という言葉をご存知ですか?
私がこの言葉にはじめて出会ったのは、
邱さんのエッセイを読んでのことです。
邱さんは平成2年から4年までの間に
ダイエーの社内報誌PSに2年間
「隣は何をする人ぞ」(『嫉妬の世の中をどう生きる』に収録)
という連載をし、そのなかで、
「普通語とブロークン・イングリッシュが共通語」
という題のエッセイを書きました。
この文章を読んで
「普通語」ってなんて何だろうと思ったのです。
あとで知ったことですが、
中国では北京語からはじまって
蘇州語(上海語)、福建語、広東語など
さまざまな方言が使われており、
そうした方言の壁を越えて、
中国で生活する人々が
民族共通の言葉としてつかえるよう、
北京語を母体にしてつくられた標準語が
「普通語」なのです。
ただ、「北京語」と「普通語」は同じものではないようで
邱さんは上に紹介したエッセイのなかで
「北京語と普通語がどう違うかというと、
北京語は江戸弁であるのに対し、
普通語は田舎の人の喋る標準語みたいなものだといったら
よいだろうか」と書いています。
そして「もうしばらくすると、
『普通語』という田舎訛りの
北京語が人類の4分の1の人口に
共通語として通用する時代がやってくる。
あとの世界はこれまでも、
これからも英語でなんとか通じるだろう」
だから「これからの時代に通用する言葉を覚えたかったら、
日本人は日本語以外に、中国の普通語と
ブロークン・イングリッシュがいいだろう」
と結んでいます。
こうした文章に触発されたせいでしょう、
私は中国のツアーから帰ってくると
中国語を勉強する気を起こし、
1年間、毎週土曜日、中国人の先生について
「普通語」を勉強しました。
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