第336回
東京では縁のなかったものが北京で入手できました
私は邱さんが北京で建てた
マンションの1室を手に入れましたが、
思い起こせば、東京で外人向けのマンションを
見学したことがあります。
昭和60年の半ばのことですが、
私は後半の人生のために都内で
ワンルームマンションを探していました。
私が探していたのは月に家賃が
10万円程度はいってくるマンションの1室です。
値段は1500万円ほどしていました。
私はそのクラスのマンションを
たくさん見ていましたが
同じワンルームのマンションでも、
3000万円も4000万円もするマンションがあり
それはいったいどういうマンションなのか
見てみたくなりました。
そこで、ある休みの日、
六本木にある不動産屋さんをたずね
そのクラスのマンションを
見学させてもらいました。
そして案内してくださった方に
こういうマンションには
どういう人がすむのですかときくと
日本で働く外国人たちが住むんですよ
と教えてくれました。
そういう知識を頭に入れて周囲を見回すと
六本木周辺には、外国人向けのマンションが
たくさん建てられていることに気づきました。
と同時にこういうマンションには縁がないない
とも思いました、
しかし、いまにして思えば
邱さんが北京でつくった“三全高寓”は
私が見学した六本木周辺の高級マンションのレベルを
はるかに越えるものです。
東京に比べたら、物価水準がうんと低い北京だから
私なども手に入れることができたのでしょうが
東京でかなわなかったが北京ではかなった
といえるのではないかと思っています。
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