Qさんは、かつて「知恵は借り物でも知恵である」と書きました
そういうことをおっしゃる人の知恵ならいくら借りてもモンクは出ませんね

第320回
「人の心に訴える話し方をしよう」

このHPで邱さんの文章読み続けられている人は、
文章がとても読みやすく書かれているなあ
と感じておられていると思います。
同じように邱さんの講演をきいたことがある人なら
邱さんの話がわかりやすく、
また面白いことに同意されると思います。

私たちも、よく意味の通じる文章を書き、
またわかりやすい言葉で話をしたいものです。
邱さんは『野心家の時間割』で、
これらについて心がけるといいと思うことを書いています。
人前で話すことについての邱さんのアドバイスを抜粋します。

「世の中には、友達とはいくらでも平気で
ペラペラしゃべることができるのに、
壇上に立ったり、公衆の前に立つと、
とたんに失語症にかかったのではないかと思うほど、
あがってしまう人がいる。
そういう人は、私が何千人を相手にしても
ふだんと同じように喋っているのを見て、
『どうしてそんなことができるのですか?』
と不思議がる。

私は『わけはないですよ。
一人の人と話をしているのと
同じようにやればよいのですから』と答えるが、
誰も素直にはうけとってくれない。
文士仲間にもスピーチの下手なのがいて、
文芸講演など頼まれて、やむをえないので
よく頷いてくれる人をみつけて
その人にだけ話をするつもりで話をしたら、
うまくいったという人がある。

昔のように、スピーカーもなくて、
大きな声を張り上げたり、
ゼスチャーを大袈裟にやったりしなければ、
公衆に訴えられなかった時代には、
エロクエンス(雄弁術)という学問まであったが、
昨今のようにタンタンと喋っても
ブラウン管を通じて
全国の視聴者に訴えることのできる時代には
一人一人の心にしみるから、どうやれば、
一人の人の心に訴えられるかを心がければ
充分、間に合うのである。

そういった意味では、
私たちのような
プロ級の講演のマネをする必要はないけれども、
3分間スピーチの練習をしたり、
3分間スピーチの大会をひらいて、
妍を競ったりするのは、
時間を要領よく使うための練習になるように思う。」
(『野心家の時間割』)


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2003年7月13日(日)

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