Qさんは、かつて「知恵は借り物でも知恵である」と書きました
そういうことをおっしゃる人の知恵ならいくら借りてもモンクは出ませんね

第316回
拘束されることが、新しい仕事のできる時間を生み出してくれる

邱さんが『野心家の時間割』を発刊したのは、
ご自身が60歳のときのことです。
この作品にはこの頃の邱さんの仕事ぶりを
紹介しているところがあります。
覗いてみましょう。

「昨今の私のスケジュールは
新聞、週刊誌、月刊誌などの連載が15本、
全国の講演が月に15回から20回、
そのほかに、座談会、テレビ・ラジオの出演、
財務の相談、それに会社が20社ほどあって、
東京に滞在する約3週間の間に
これらのすべてをこなさなければならない。
新聞の連載を1本か2本書くだけでもたいへんなのに、
時間の割りふりはどうなさるんですか、
ときかれることがよくある。

考えてみると、講演が20回あって、
原稿の連載が15本あるのは、
一見、いかにも大へんそうに見えるが、
もし講演がなくて連載だけやれといわれたら、
できないのではないかと思う。
まず東京にいると、
朝から晩までお客があって原稿を書くひまがない。
原稿を書いている間も、
次々と電話がかかってきて応対にいとまがない。
それがどうして15本も原稿が書けるかというと、
講演に行く途中の時間を、新幹線や飛行機に拘束されて、
そのあいだ、どうしても一人になっているので、
かえって時間があくのである。

講演会のあとはパーティや夜のおつきあいがあるから
仕事のできる見込みはないが、
ホテルの朝は一人でいることが多いから、
次の講演がはじまるまで、
もしくは、次の乗り物に乗っている間、
ゆっくり仕事をすることができる。
つまり、講演があればあるだけ、
執筆の時間が確保できるが、
逆に執筆の時間もなくなってしまう。
拘束されるということが、
新しい仕事のできる時間を生み出してくれるのである。」
(『野心家の時間割』)

こういう具合によく働く人をお手本にしておくと、
愚痴めいたことなどはけなくなりますね。


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2003年7月9日(水)

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