Qさんは、かつて「知恵は借り物でも知恵である」と書きました
そういうことをおっしゃる人の知恵ならいくら借りてもモンクは出ませんね

第310回
50歳前後の人々が転職か自営かの選択に迫られる

邱さんは、50歳になって、
独立しようか考える人から相談を受けたときは
「これまでガマンしてきたのだから
ついでに定年まで頑張ったほうがいいのではないですか」
というアドバイスをしていました。

しかし、デフレの大波がおしよせ、
50歳前後の人々が定年の60歳にたどりつく前に、
進路の変更を迫られるようになるにつれ、
邱さんのアドバイスの内容も変わってきました。
私がそういう印象を受けたのは平成8年頃に書かれた
「50歳からの脱サラでも新鮮さはある」という文章です。
その一部を抜粋させていただきます。

「各企業が生き残るために
リストラに全力をあげなければならなくなるので、
人件費をカットするための人減らしが先行する。
さしあたり白羽の矢を立てられるのが、
これから働き盛りにさしかかる50歳前後の中堅幹部である。
いままでよそ見もしないで、会社一筋に生きてきた連中が
会社から排除されるめぐり合わせになってしまったのである。

『いくら何でもそれではあんまりだ』
と会社の非を鳴らしてみたところで、
会社そのものが生き残りをかけた窮余の策が人員整理だから、
所定の退職金以外に割増金をつけてくれるとすれば、
いよいよ会社が倒産して退職金どころか、
給与も遅配のまま巷におっぽり出されるよりは
うんとましだと思わなければならない。

そうした中途退職者に残された選択は
他の会社、もしくは他の職業への転職
もしくは転業するか、あるいは、この際、
宮仕えから足を洗って、独立自営をするか、のどちらかであろう。
会社が退職者を募集する場合、
会社にとって不利なことの一つは、会社を辞めても、
ほかにいくらでも自活の道がある連中が率先して会社を辞め、
どちらにも行き所のない者だけが
最後まで会社にしがみつく可能性が強いということである。
従って整理をする度に有能な人材を失う心配が出てくる。
もっとも尻に火がついたところで行うのが人員の整理だから、
それも覚悟の上ということであろう。

辞める側にしてみれば、転職、転業、
もしくは独立自営のどちらを選ぶにしても、
そうすることに覚悟と自信が必要である。
右肩上がりの成長期には、
そういうことは一切視界に入ってこなかったが、
景気の低迷が長期化すると、
どんなサラリーマンも、
自分がそういう立場に追い詰められた時のことを
想定しないわけにはいかない。」
(『鮮度のある人生』)


←前回記事へ

2003年7月3日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ