第273回
「少ないお金で楽しく生きる方法の工夫をしよう」
デフレの時代になっても、
冷たい風がどこを吹いているのとばかり
快進撃を進めている人がいますが、
多くの人はデフレ風に当たって、
ゴホン、ゴホンとセキこんでいるようです。
こういう時代に適合した考えは何だろうと思いながら
『デフレに強い知的金銭生活』を読み続けると、
「少ないお金で楽しく生きる方法を工夫しよう」
という提言に出会いました。
「まずデフレになると、お金を儲けるチャンスは激減する。
物をつくっても、いままでのような付加価値は期待できない。
町工場はもとよりのこと、大企業だってピンチに直面する。
もちろん、そういう時代の変化をうまく読みとって
上手に立ち廻った人々は別であるが、
そういう人はごく一部に過ぎない。
せめてもの救いは豊作によってひき起こされた貧乏だから、
物が豊富で、生活にはさして困らないことである。
商売はうまくいかないが、その割には食うに困らない。
生活のレベルもそんなにおちない。
たとえばバブルの頃は
1着10万円もするセビロがとぶように売れたが、
いまは2着で3万円のセビロを着ても、
別にカッコが悪いということはない。
むしろどこの家の洋服ダンスの中もいっぱいになっているから、
フォーマルな服装よりもカジュアルなカッコが喜ばれる。
10万円のスーツが1900円のシャツと
2900円のパンツになったからと言って
風邪をひくわけでもないし、
見栄えが悪いというわけでもない。
デフレ時代は少ないお金で
楽しく生きる方法の工夫をすればいいだけのことである。」
(『デフレに強い知的金銭生活』)
邱さんは今は「豊作貧乏の中」で、
そんな世の中で生きるには
『足るを知る』の心構えを持てば
過ごしやすいと説いています。
「貧乏しても、働く意欲さえあれば、
飢え死にする心配はなくなったのだから、
一言で言えば『足るを知る』心構えとでも
言えばいいだろうか。
物の不足した時代でさえも、
『知足』が大切と教わったのだから、
豊作貧乏の中で欲望をコントロールするくらい
そんなに難しいことではないだろう。
少ないお金で上手に生きる工夫ができたら、
そんなに難しい時代ではないと私は思っている。」
(同上)
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