第271回
「儲けのタネがどこにあるかを探し出すことが先決」
お金を儲けるには頭を働かせることが大切で、
儲からないのは知恵がないからですよと
『朝は夜より賢い』や『変わる世の中変わらぬ鉄則』
で邱さんから教えていただいたものですが、
平成7、8年頃でしたか、
邱さんは中国のB株はA株との間で開いた値差を
埋める方向に動いていきますよと広言しました。
「皆さん、ここがチャンスですよ」
という呼びかけだったのです。
邱さんの言い分をききましょう。
「リクツに合わないアンバランスが
お金の流れを変える時が
いつかを探し出して待てばよいのである。
もちろん時間待ちは短いにこしたことはない。
しかし、株を買ったその日からすぐ上がりはじめて
そのまま最高値まで登りつめることがないように、
すべての金儲けはそこまでの時間を
いかに耐えるかにかかっている。
辛抱強さは財産づくりの
最も重要な要素であるが、
その本領が発揮されるためには、
儲けのタネがどこにあるかを
探し出すことが先決である。
昔はそうした儲けのタネは
自分たちの生活している
狭い範囲でしか見つけられなかった。
不動産にするか、株にするか、
それとも現金にしておくかということも、
自分たちの目の届く範囲で考えるよりほかなかった。
ところが、グローバル化がすすみ、
ITによって距離感覚が一変してしまうと、
どこで金儲けしようと、
また、財産をどこに持っていようと、
さほど違和感がなくなってしまった。
ただ、いくら交通が便利になったと言っても、
自分の家と勤務先と帰りに
一杯やる飲み屋の中だけで暮している人に
そんな話をしても仕方がない。
人はそれぞれの人の背負った殻に
似合った生き方をする。
時の流れ、お金の流れを
国境をこえたスケールで捉えようと思えば
自分がまず国境をこえて
動くことからはじめるよりほかない。
ただ、行動半径がいくら他国籍にまたがっても、
それをコントロールするのは
最終的には自分自身なのだから、
成否はかかって自分の対応の仕方にある
と言わざるをえない」
(『デフレに強い知的金銭生活』)
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