第270回
「同じものなのに差があれば、いつかその差は埋まる」
邱さんによると平成7、8年ごろ
邱さんが中国B株について示した見通しに接した人は
二つの異なる対応をとりました。
「すぐ手を出した人たちは、
(1)私(邱さん)の言うことはリクツにあっていると思った。
(2)長期戦になることを覚悟した。
(3)万一、値上がりしなくとも、配当金はあるし、
無償株配もあれば、増資も期待できるから、
預金金利程度の収入があればよい。
(4)値上がりしない間、塩漬けにしておけばよい、
といって自分を納得させたのである。
反対に買いを控えた人は
(1)あんなことを言っているけれど、
B株が不人気になったのは
社会的に信用されていなからである。
(2)中国政府がB株に有利な政策を積極的にとるとは思えない。
(3)かりに政策があるとしても、いつのことになるかわからない。
(4)待っている間に株価はさらにもっと下がるかもしれない。
(5)アメリカの景気もあやしくなっているときだから、
中国だけが冷害であることはあるまい。
結局、何もやらない人には何もやらない理由がいろいろあって、
縁がなかったということである」
(『デフレに強い金銭生活』)
邱さんによれば変化する現象を前にして、
人それぞれで見通しが分かれる時は
チャンスの時なのだそうです。
「私の場合はすべてのことを
お金儲けのチャンスと見ているわけではないが、
いつもその時々のお金の流れを注意深く見守っている。
流れとは動くということだから、
絶えず変化するということであり、
もしそれを見誤ると、おいてきぼりをくらってしまう。
したがって自分にとっては
理解にあまる現象にぶつかった時は
それは考え方を修正する時であり、
常に新しいチャンスと考えていいのである」(同上)
と言って、邱さんは日本と中国大陸の間で
人件費に1対1/20くらいの差があり、
でも労働の質にそれほど差がないことに目をつけ、
これを利用したユニクロを例に引きながら、
同じものなのに差があるA株とB株の値差は
いずれ縮まると読み、
そのときを辛抱強く待ちました。
「A株とB株という二つの流れに分かれた株についても
必ず同じことが起きる。
同じものなのに両者に価格差があれば、
いつかはその差が埋まる。
それがいつかを問題にする人は待つことを知らない人である。
待つことを知らない人の門にはお金も訪れて来ないのではないか」
(『デフレに強い金銭生活』)
「株の儲けは辛抱料」邱さんの得意のセリフが
聞こえてくるような感じがします。
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