第263回
世の中の常識は変わります
邱さんは『デフレに強い知的金銭生活』で
私経済において「借金」という生活術が
どうとらえられてきたかを書いています。
私などが体験してきたことが的確に描写されています。
「借金をすることは、この2、30年、
そんなに危険なこととは思われなかった。
むしろ上手な借金は財産をつくる役に立つという考え方が、
ここのところずっと経済観念のある人の常識になっていた。
よくよく考えてみると、こうした常識も定着してから
そんなに時間がたっているわけではない。
経済成長のはじまる前は借金をしてはいけない
というのがむしろ常識であった。
借金をして事業を失敗したり、
株の売買をしたりすると、
見込み違いでよく倒産をする。
だから借金をする人の保証人はやってはいけない
という家訓を遺す人が多かったし、
それが常識であった時代には、
借金をして事業をやることは不健全なことと思われていた。
その惰性が残っていたので、
経済成長がはじまってインフレが進み、
土地が現実に値上がりはじめても、
借金をして家を買うことを慎み、
家は貯金がたまってから買うものだと考える人が多かった。
まだ住宅ローンが制度として確立していなかったこともあったが、
私は経済成長が進めばインフレになり、
地価は年々上がり続けると思ったので、
事業家たちが銀行からお金を借りて
土地を買ったり工場を建てたりするのと同じように、
個人も借金をして自分の家を先に手を入れ、
借金はゆっくり返済していけばよいと主張し、
自分も率先垂範してそれを実行した。
マンションが坪当たりまだ30万円だったころに
それをやったので、私自身も、
また私にいわれてマンションを買った人も
10年を一つの区切りとして量ってみると、
かなりの成果をあげることができた。」
(『デフレに強い知的金銭生活』)
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