第260回
「温かい南風が吹いていたのが冷たい北風に変わった」
前に邱さんからマイナス・ファクターを
できるだけ少なくしていくことが
しあわせにつながると教わりました。
教わったことはできるだけ、
我が身に照らして考え、活かすことが大事です。
そこで自分の生活に潜んでいるマイナス要因、
(心配事と言い換えてもいいかもしれませんが)
についてあれこれ考えてみました。
その結果、自分が片づけなければいけないことの一つは
銀行から借りているお金を返すことではないかなと
考えるに至りました。
私が銀行からお金を借り入れたのは
すべて賃貸用不動産の購入のためのもので、
すべてロケーションのいいところを選んでいますから
返済は借り入れた家賃から充当しています。
また50歳のときに自分の腕に頼る仕事に転向しましたので
60歳になったいまも、それ以前と変わることなく
本来の仕事の場で収入を得ています。
そういうことで銀行からお金を借りていることが
マイナス・ファクターだとは
これまで考えたことがありませんでした。
ただ、世の中が不景気続きで、
自分の生活も何らかの影響を受けることは必定だし、
自分も年をとり、何かの事情で
仕事ができなくなるかもしれないという気持ちが
心をかすめるようになしました。
そこで邱さんが平成7年から執筆をはじめた
「ダメな時代のお金の助け方」という連載の中で書いた
「泣いて借金と協議離婚を」という文章を
読み返したくなりました。
「戦後から約45年続いた復興と経済成長は、
バブルの崩壊をきっかけとして下降期に入ってしまった。
これによって日本経済が完全に衰退期に入ったとか、
インフレが終ってデフレが永遠に続くということでは
もとよりないが、温かい南風が吹いていたのが
冷たい北風に変わったとか、
満潮が続いていたのが猛烈な引き潮に変わってしまった
というほどの変調が起こっていることは間違いない。
まず経済の成長によって
大都会に人口が集中する傾向にストップがかかった。
円高によって国内で物を生産したのでは
採算に合わなくなった企業が続々と海外に工場を移転させている。
ジャーナリズムでは国内の空洞化が進むと騒いでいる。
しかし、これは日本人の経済活動の舞台が
グローバルになっていくということであって、
必ずしも産業の衰亡を意味するものではない。
ただし、メシのタネが日本国内から消えて、
国内の都会地への人口集中がやめば、
不動産の値上がりがとまることは覚悟しなければならない。
また円高によって輸入品の値下がりが続き、
それがきっかけになって価格の破壊がすすめば、
デフレが日本国中を風靡することは避けられなくなる」
(『ダメな時代のお金の助け方』)
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