| 第251回「事故」と「家庭内の不和」も要注意事項
 邱さんが『お金としあわせの組み合わせ』で倒産、失業、病気の次に挙げた4つ目のリスクは事故です。
 「D事故。昔に比べて人間の行動範囲がうんと拡がったのと、交通手段がふえたので、交通事故にあう機会がふえた。
 戦争や内乱にぶつかる機会もふえている。
 たとえばクエートを旅行する最中にイラク軍に攻め込まれたら、
 流れ弾丸にあたることもあり得るし、
 プノンペンに行って地雷をふんだら
 身体ごとぶっとばされないとも限らない。
 また飛行機にのるチャンスがふえた分だけ、
 飛行機事故に遭遇する確率も高くなる。
 それによって一挙にあの世に行ってしまえば、
 思い切ってあきらめることができるけれども、
 身内に被害者が出て、
 しかも一生懸命面倒を見なければならなくなると、
 幸福の絶頂から地獄のそこにおちるようなものである。
 わたしたちはいつもこうした恐怖と
 背中合わせに生きているといっても過言ではない。」
 (『お金としあわせの組み合わせ』)
 『お金としあわせの組み合わせ』の執筆がはじまったのが今から8年前の平成5年のことですから、
 この頃の世相を反映したたとえが使われていることを
 おことわりしておきます。
 そして邱さんが5番目にあげたリスクは「家庭内の不和」です。「E家庭内の不和。いま一番多いのが離婚である。
 アメリカが離婚の先進国で、日本がそれに続いている。
 アメリカの2組に1組に対して、
 日本では4組に1組が離婚するようになった。
 私など結婚披露宴に招かれると、
 きまって祝辞を述べさせられるが、
 昔のように『末永くおしあわせに』など
 ありきたりの挨拶をするようなことは先ずない。
 『ご両親のお父さま、お母さまは
 さぞやお喜びのことと思いますが、
 本当は心の中で、はたしてこの二人
 いつまでもつことやらと心細がっているに違いありません』
 と言うと、皆がドット笑い出してしまう。
 統計が示している限り、確率はきわめて高いのだから、
 しばらくして顔を合わせると、
 もう別れているケースが多いのである」(同上)
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