第250回
「リズムの一定した生活をやったほうがいい」
邱さんの健康を保つために規則正しい生活をし、
食事の都度、食べるものを変えて、
バラエティに富んだ食事をとることを
心がけていることがわかりました。
身体に無理がかかるようなことは避けているということですね。
お酒を飲むことに対するアドバイスもありますよ。
「日本では、空腹に酒を注ぎ込むような
酒の飲み方をする人が意外に多い。
中国人は日本人に比べると、酒飲みは少ないが、
それでも時々酒の強い人にぶつかる。
そういう人たちは、何十回、乾杯をくりかえしても
平気な顔をしているが、食べ物に口を入れながら、
酒を飲むことが日本人と違う。
酒のサカナをほんの申し訳に食べる人と違って、
あれこれ食べながら、酒を飲むようにすると、
胃に悪い刺激を与えないのではないかと思う。
また日本人の酒飲みの中には、
夜を通してとめどもなく酒杯を傾ける人がいる。
舌でも食道でも胃袋でも、
朝から晩までアルコール漬けにすると、
機能がバカになってしまう。
酒は少量飲むと、血行をよくしていい気分になるが、
やや度をすぎると、興奮してくる。
さらに度をこすと、全身が麻痺してしまう。
そうした麻痺状態を四六時中、続ければ、
肝臓に負担がかかりすぎて、装置が故障をおこしてしまう。
私の周辺の酒飲みを観察している限りでは、
夜を徹して酒を飲み、
身体をあらん限り酷使している人は、
大体50歳で死んでしまう。
いつまでものんべんだらりと生きているより、
『太く短く』という生き方のほうがいいと私も思うが、
せっかく自分より10歳以上も若い友人たちをつくって、
いずれ自分の葬式の時には来てもらう積もりだったのが、
バタバタと死んで、こちらが葬式に行かなければ
ならなかったことが何度かある。
それらの若い友人に共通の分母は何かと考えてみると、
第一に昼と夜をひっくりかえしたような
不規則な生活をしていることであり、
もう一つは、とめどもなく朝までアルコールを胃袋に流し込む
酒びたしの生活をしていることである。
そういう人は不思議と50の坂がこえられないで、
あの世にいってしまう。(略)
無茶苦茶に酷使すれば、大体、50年でパーツに故障を起こし、
とりかえしのきかいないことになるということである。
だから長く持たそうと思えば
リズムの一定した生活をやったほうがいい。」
(『死ぬまで現役』)
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