第249回
「食べるものを変えて、バラエティに富んだ食事をとる」
邱さんは『死ぬまで現役』で自分は
「三度三度きちんとした時間に、きちっんと食事をとる」
ことに加え、「食事の都度、食べるものを変えて、
バラエティに富んだ食事をとる」と書いています。
「もう一つ、私の家で心がけていることがある。
それは三度三度、食べるものを変えて、
バラエティに富んだ食事をとることである。
以前は朝食も毎日、変えて、中華、和食、洋食、
また中華でも今日はお粥なら明日は麺、
その次はビーフンなどと
日替わりメニューで食事をしたことがある。
するとどうしても食がすすみすぎて、
ついつい食べすぎになってしまう。
やむを得ず、朝食は西洋料理に固定してしまい、
果物、サラダ、卵とベーコン、
もしくはソーセージ、ツナ、サーモンなど一種類、
それにパンとコーヒーにとどめることにした。
その代わり昼食は、オフィスの近所で食べる場合も、
新幹線の中や講演先、旅先で食べる場合も、毎日、目先を変える。
夜も、外食をとることが多いが、昨日がフランス料理なら、
今日は日本料理、家で中華風の料理をする場合でも、
肉、魚、野菜と材料をとりまぜて、一つが揚げ物なら、
一つは煮物、もう一つは蒸し物、野菜だけなら炒め物と
調理法も変えてしまう。
同じ材料が一週間の間に二度、
食事に並ぶことはほとんどないし、
同じ材料を同じ調理法でつくることはない。
それを腹いっぱい食べても、
我が家には肥満児は一人もいない。
『腹八分に医者いらず』と昔から言われているけれど、
少ししか食べない人と食事をするのは嫌いだし、
嫁選びをする時も、できるだけ大食女にするように
子供たちにすすめている。
どうしてかというと、大食いのひとのほうが健康だし、
楽天的な性分でつきあっていて愉快な人が多いからである。
『そんなに食べて、どうして肥らないのですか』
とよくきかれる。
『ウーロン茶でも飲んでいるのですか?』
ときかれることもある。
ウーロン茶を飲むと痩せるという伝説が
日本ではすっかり定着してしまったが、
私の家ではウーロン茶を飲まずに、
ほうじ茶を常用している。
ウーロン茶は半醗酵だから、
ビタミンの供給源としては悪くないが、
いくら飲んでも胃を痛めないですむのは、
ほうじ茶のほうである。
『肥らないのは食事が片寄らないからだと思いますよ。
少なくともうちでは酒ばかり飲んで、
あとはざるそばで終わりといった食事はしませんから』
と私は答えることにしている」
(『死ぬまで現役』)
|