| 第245回「『死ぬまで現役』が最良の健康法」
 ついでに言えば『死に方・辞め方・別れ方』で邱さんは「『死ぬまで現役』が最良の健康法」だと書いています。
 邱さんが定年は40才とするのが一番良いのではないか
 という考えの持ち主であることは何度かふれてきました。
 が、実際は40歳まえに自分で辞職して独立の道を選ぶ
 といった人はきわめて限られているのではないでしょうか。
 いろいろな不満は感じつつも、居心地がいいという面もあって会社員としての生活を続ける人が多いのではないでしょうか。
 そうした現実を踏まえて邱さんは議論をすすめます。
 「ただ、サラリーマンの場合には、55歳とか58歳とか60歳で
 好むと好まざるとに拘わらず、
 仕事を中断させられる宿命がまっている。
 これが『熟年の地獄』となるのである。」
 (『死に方・辞め方・別れ方』)
 「したがって、子会社にまわされるくらいなら、まだ足腰のしっかりしているうちに、
 『死ぬまで現役』でおられるような仕事を探した方がよい。
 趣味を生かす仕事でも、今までの技能を生かす仕事でもよい。
 『お前はクビだ』といわれないためには、
 小さくても自営業以外に方法はないのである。
 ただ、『お前はクビだ』といわれないようにするために、一定のスケールの事業基礎を築こうと思えば、
 やはり定年になってからでは間に合わない。
 すると、また定年は40歳がよいというところまで
 逆戻りしてしまうが、
 定年近い人にそんな意見を述べてもはじまらないだろう。
 とりあえず、『死ぬまで現役』でおられるような仕事を見つけて、
 孤独でさいなまれないですむ老後を送る手立てが
 どうしても必要である。
 というのも黄昏になってからあとの路程が
 やたら長い人生がわたしたちの人生だからである。」
 (同上)
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