第243回
「早くから老後の設計をしておくこと」
邱さんが「健康のための五つの法則」で第四に挙げたのは
「年をとってから、お金に困らないように、
早くから老後の設計をしておくこと」です。
この点こそ私が邱さんの著作を読むようになった
最大の動機です。
私が30代半ばであった頃、
自分の老後の対策として取り入れたのは
次のような邱さんの考えに賛同して
定期収入の入る都市型マンションを手に入れることでした。
「年をとったあとのための財産設計は、
まだ若いうちに少しずつ積み上げていくよりほかないが、
その積み上げを何でやるかは問題である。(略)
不動産を買っておけばよいだろうことは誰でも知っている。
しかし、不動産を買うためにはかなりまとまった金が必要だし、
ボーナスをもらったから、
また一坪といった買い方をするわけにはいかない。(略)
やむをえず目減りを承知で
『現金』の形で貯蓄をしている人が多いわけだが、
本当は借金をして不動産を買い、
長期の分割払いで返済していくのが一番合理的であろう。
長期月賦だと、利子ばかり払わされて、
どうしても割り高の感は免れないが、
支払いによほどの無理が生じない限りは
目をつぶって買っておいた方がいい。
それも年の若いうちにおいてである。
年をとってからの月賦払いでは、
払い終わらないうちに日が暮れてしまうからである。
中年にいたって収入の増える人と、
逆に火の車になってくる人の違いは、
こうした非労働所得が確立されているかどうかによるものである。
かりにアパートか貸し家の一軒も建てて、
月に20万円ないし30万円なり定収入があるようになれば、
月給に対する依存度がそれだけ減少するから、
定年退職とか失業によって職を失っても
精神的ショックはほとんど受けなくてすむ。
したがって、年をとってから、
精神的に余裕を持って生活がしたいならば、
労務の直接の提供をしないでも
収入が得られるような道を講じておくことである。」
(「年をとらない法」)
いまの30代や40代はどういう対策をとればいいのか、
それは各自が勉強して自分で選択していただくほかありませんが
いまの時代にあった方法として
邱さんが『知的金銭生活』などで推奨している投資法が
ヒントになるのではないでしょうか。
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