| 第237回「社会が成熟化すると失業の目にあう機会が増えます」
 『お金としあわせの組み合わせ』(平成7年)で邱さんが二つ目のリスクとして挙げているのが失業です。
 「B失業。高度成長期の日本では、長い間完全雇傭が続いたし、
 完全雇傭が常識だったから、
 定年前に失業するチャンスはほとんどなかった。
 それでも、10年に一ぺんくらいある大型不況に遭遇すると、
 上場企業にも倒産したり整理統合される企業が現われる。
 運悪くそういう企業に就職していた人は
 失業の憂き目にあったり、
 出世コースからはずされてしまったりする。
 それでも経済の成長期には働き口は事欠かなかったから、就職・再就職のチャンスはいくらでもあった。
 ところが、高度成長が終って、
 社会全体が成熟期に入ってくると、
 労働戦線に異変が生じてくる。
 ヨーロッパやアメリカのような先進国を見れば
 すぐにわかることだが、景気が恢復してきても、
 失業は思うように減少しない。
 国全体の経済成長率が低下し、雇用のチャンスがふえないだけでなく、
 求人はあってもそれに適合しない老人や
 半健康人がふえているからである。
 したがって中年から以降になってから失業すると、
 いい再就職口をみつけるのに
 苦労するようになる。」
 (『お金としあわせの組み合わせ』平成7年)
 この傾向は時間がたつにつれて益々顕著になりました。日本の失業率も3%から4%、
 そして最近は5%を超えるようになっています。
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