Qさんは、かつて「知恵は借り物でも知恵である」と書きました
そういうことをおっしゃる人の知恵ならいくら借りてもモンクは出ませんね

第215回
「お金が仕事から生まれてくるから、仕事が先です」

「定年後も生き甲斐がお金に優先する」
(『貧しからず富に溺れず』、昭和60年)、
「お金の心配よりも仕事の心配」
(『若気の至りも四十迄』、昭和61年)と
邱さんは言葉を尽くして、仕事の継続がお金の対策よりも
大事ではないですかと話しかけてくれます。
いずれ定年の時期を迎えざるを得ない立場にある人は
平成元年に出版された『死ぬまで現役』の中の文章を読み、
それぞれの立場から人生に向かう覚悟を新たにしましょう。

「定年になれば、今まで長くつとめてきた職場とは
さよならするようになる。
定年後の再就職先を会社が斡旋してくれる場合もあれば、
自分で探さなければならない場合もある。
子会社の社長や重役に横すべりできれば、
世間のきこえはそう悪くないし、
収入もそこそこある。
ところが、自分で探さなければならないとか、
探すときのコネが弱いとなれば、
年金や退職金をもらうようになったとしても
収入は一挙に半分におちてしまう。
誰しも定年とともに収入が減り、
生活のレベルが下がるのはいやだから、
何とかして定年後の収入源を確保することに頭を使う。
お金さえあれば、生活がまず安定するから、
とりあえず収入源の確保をし、
あとの身のふり方については
またゆっくりかんがえようじゃないか、
と二段構えの考え方をする人が多い。

しかし、私は仕事を見つけるほうがお金をつくるより
先ではないかと思う。
学校を卒業し、たいていの若者は仕事を優先させる。
お金も欲しいことは欲しいけれども、
どこからどうやってよいかわからないし、
仕事のほうなら教えてくれる人もある。
わずかでも、労働に対する報酬をもらいながら、
仕事をおしえてもらい、そのうちに
お金の儲け方を身につけることができれば
もっけの幸いであろう。
ところが、定年近くなると、
仕事はしっかり覚えたのだから、
仕事でメシを食うことを考えれば
よさそうなものであるが、
逆にお金のほうに気をとられるようになる。
してみると、仕事をはじめてから30何年もたつのに、
案外、仕事を覚えきれなかったのか、
覚えることは覚えたけどツブシのきかない覚え方をしたので、
仕事のやり方が時代遅れで実際の役に立たないのか、
のどちらかということになる。

お金は仕事から生まれてくるのであって、
肝心の仕事のほうがなおざりでは、
お金のほうもあやふやなことになってしまう。

つまり若い時も、年をとってからも、
本質的にお金を生むのは人間であって、お金ではない。
人間の頭脳や仕事振りがしっかりしていなければ、
お金のほうもうまい具合にはふえてくれないのである。」
(『死ぬまで現役』)


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2003年3月30日(日)

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