Qさんは、かつて「知恵は借り物でも知恵である」と書きました
そういうことをおっしゃる人の知恵ならいくら借りてもモンクは出ませんね

第209回
「このことを知らないで中国へ進出すると失敗します」

広東で活動されている田中正俊さんという方から
ご自身のプロフィールと、
「このことを知らないで中国に進出すると失敗します」
という一文を送っていただき、田中さんは
日本の化学会社と日本の総合商社が合弁で
広東省につくった会社の総経理(社長)であることを知りました。
田中さんが私の要望に応じてくださった一文は
緊迫感に満ちたもので、一読して緊迫感が伝わってきました。
ここに引用させていただきます。

「日本が先行きの見えない状況の昨今、
起死回生をはかるため中国への進出を考える中小企業が多く、
また大企業もさらに人数や拠点を増やそうとしています。
しかし進出して大成功という話はあまり聞きません。
なぜでしょうか。
中国に進出して成功しない原因は、
中国だから成功しないのではなくて、
海外に進出するために必要な人材の手配が出来てない、
情報の収拾が事前に十分出来てない、
というような基本的な準備不足がほとんどなのです。
大変酷な言い方ですが、失敗するべくして、失敗しています。

逆に言えば、この準備さえきちんとしていれば、
現在の中国で事業に成功するのは
世界のどこの国よりも可能性が高いと思います。
中国の状況を調べる上で概論は数限りなく出版されています。
しかし本当に役に立つ情報は多くありません。
邱永漢先生が『ハイハイQさんQさんデス』
というHPで書かれている内容や、
同じHPで現在北京に住んで情報を発信している
柳田洋さんの情報ぐらいだと言ったら言い過ぎでしょうか。

何故役に立つ情報は少ないのでしょう。
それは中国の事情が川の流れのように
毎日変わっていくからです。
極端な言い方をすると、朝こうであったことが
夕方には全く違った展開になっているということが
日常的に起こります。
従って本が出版される頃には事情が変わってしまっていて、
そんなノウハウはとっくに古くなっている
ということが多いのです。

私は60歳を過ぎてから日系独資企業の
総経理(社長)として駐在しましたが、
『刺激的な毎日でボケるヒマがありません』
と友人に手紙を書いたことがあります。

本当に刺激的で、ある意味ではこの上なく
楽しい日々だったと思います。
発展途上国でのプロジェクトに長年直接かかわり、
ニューヨーク・香港・中国(広東省)に駐在して
実際に会社を経営した経験から、
中国に進出して成功するために
何を準備しなければいけないか、
進出した後で起きた問題にどう対処したら良いか、
その基本と応用問題について生のノウハウのいくつかを
中国ビジネスに関係される後輩達にお話する機会が
あれば、駐在員の先輩として大変うれしく思います。」
(田中正俊「このことを知らないで中国へ進出すると失敗します」)


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2003年3月24日(月)

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