| 第206回「中国ではこれからの10年で所得が3倍になる」
 邱さんは中長期的な視点でこの先に起こりそうなことを考えそして具体的にそのイメージを描く人です。
 平成4年頃のことですが、邱さんがある雑誌に
 「中国経済は『あと10年で10倍』の規模になる」と書き、
 私など、そのタイトルを見ただけで昂奮し、
 むさぼるようにして文章を読みました。
 おかげで中国の経済は発展するぞという見通しをもって
 その後の動きを見つめていくことができました。
 その作品は「中国経済は10年で10倍のスケールに」と改題されて『日本脱出のすすめ』に収録されていますが、
 昨年、邱さんが『チャイナ・ウォーカー』誌の記者から
 「中国と日本の今後の見通しについてどう思うか」
 という質問を受け、それに答えていますので
 ここに転載させていただきます。
 「日本はすでに工業的豊作貧乏に陥っていますので、景気の回復は容易ではありません。
 その点、中国は経済成長の最中にありますから、
 今までの10年で所得が3倍になりましたが、
 これからの10年でもほぼ同じスピードで
 所得は3倍になると見ています。
 しかし、過去10年の3倍と、これから10年の3倍は数字の大きさが違いますから、
 おそらく次の10年で、
 中国にはたくさんの成金が誕生することになるでしょう。
 300元が1000元になるのと、
 1000元が3000元になるのとでは
 可処分所得の額が違いますから、
 仮に1000人に1人成金が生まれるとしても
 130万人ということになります。
 また日本と違って、中国は外国資本の進出が経済発展の役に立つと思っていますから、
 外国人にとってもチャンスは多いでしょう。
 日本人が中国に進出してうまく成功したら、
 それは日本の成功でもあると考えるのでなければ、
 これからの時代を上手に生きたことにならないと思います」
 (『チャイナ・ウォーカー』誌2002年8月号)
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