Qさんは、かつて「知恵は借り物でも知恵である」と書きました
そういうことをおっしゃる人の知恵ならいくら借りてもモンクは出ませんね

第191回
「見方が相反する時が投資のチャンスです」

時代の流れをつかむうえでどんなことが求められるのか
邱さんが「問題意識を持って変化の先を読む」と題して
書いた文章を読み続けて、必要とされる才覚について
勉強させてもらいました。
これらの一連の文章が書かれたのは、その7、8年後に
香港が返還されるという時点のことです。
中国に返還されたあと香港がどんな命運をたどるのか
決定的なことは誰も言えない状況にあった頃のことですが、
この際、邱さんがその時点で香港の将来をどう読んだか、
その内容を伝える部分を再読してみましょう。

「いま、現在の既成概念をもってすれば、
『中国に将来はない』といっておののいている香港人は
香港から出て行く。
しかし、現にアジアの自由港であり、
中国の中継地として金融、貿易の分野で
その役割を果たしている香港が、
1997年以降もその役割を続けるだろう、
と考える人は香港の前途を暗いものとは見ていない。
現に、日本、アメリカ、ヨーロッパの企業が
いきなり大陸へ進出しない場合でも、
香港に拠点をおいて、そこから大陸へ探りを入れている。
そうした企業と駐在員が次々と集まってきたので、
香港のオフィスも住宅も売り手市場になっている。
この傾向は恐らく今後も続くだろう。

なぜかというと、
香港の将来の役割を認識する外国人がふえ、
それに伴って外国資金が少しずつ集中しているからである。(略)
こういう国々の資金がアジアのどこに投じられるかというと、
さしずめ香港に集中することになろう。
台湾と中共は対立関係にあると一般には受け止められているが、
最近は台湾や香港への資本の投資が盛んになっている。
ホテル日航は台湾の資本が所有して
日本側が経営しているが、
最近は台湾資本が香港の銀行を買う動きもある。
こうした動きは、
ちょうど一つの株の株価をどう見るかというのと同じように、
プラス要因、マイナス要因が入り乱れているので、
見方によって相反する答えがでてくる。
私はこういう時期が新しく投資する人の
投資に着手するタイミングだと思っている。」
(「問題意識を持って変化の先を読む」。
『金儲け発想の原点』《平成2年》に収録。)

こうした邱さんの判断がその後に、ものの見事に的中したわけです。


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2003年3月6日(木)

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