| 第177回人より早く授業料を払わなければ、早くゴールに届かない
 邱さんへのインタビュー記事の転載を続けます。「先生ご自身の中国投資についてお聞かせください。」
 という質問に対する回答です。
 「ちょうど 小平の改革開放政策が打ち出される半年前に、 何となくそういう予感がしたので、
 40人ほどの台湾の企業家たちを連れて、
 上海と北京を訪れました。
 まだ誰も投資をやらない頃だったので、
 上海でも北京でも盛大な歓迎を受け、
 ぜひぜひと頼まれて北京・上海・成都・天津でビルを建て、
 また将来、経済の成長と共に必ず公共投資が増えるだろう
 と見越して、日立建機を誘って安徽省の合肥市に
 パワーショベルの大きな工場を造ってもらいました。
  浦東のオフィスビルは第一ヤオハンのデパートより半年早く建ちましたし、
 北京の外国人向け高級マンションには
 日本の会社の総経理級の人だけで85世帯も住んでいます。
 また、成都のショッピングセンターには
 イトーヨーカ堂がキーテナントとして入居しており、
 休日になると足の踏み場もないくらい人が入っています。
 でも、『大成功ですね』と言われたら、とんでもない、人より早く授業料を払っただけです、
 というのが正直な答えでしょう。
 それほど中国投資は難しいものなのです。
 許可をとるだけでも大変だし、
 建築業にしても必ず予算をオーバーして、
 金繰りに苦しみます。
 たぶん人より早く苦しまなければ、
 人より早くゴールに届かないことも事実ですね。」
 (「ウォーカーチャイナ」2002年8月号)
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