第173回
合肥日立掘削機有限公司は2割配当になっているんですね
平成5年のゴールデン・ウイークに開催された
3回目の中国投資考察旅行の直後だったように記憶していますが、
いまこのホーム・ページが発行されている
アジア交流センター内の部屋に
ギッシリ集まった人たちに対して、邱さんから
「私はこれから中国の合肥というところで
パワーショベルを造る日中合弁の会社をつくる手伝いをします。
ついては興味のある人には1口500万円で、その会社の株を
買える様にします。宜しかったら申し込んでください」
という趣旨の話がありました。
次から次に新しい事業の話がきけて
おもしろいなあと私は思いましたが
ただ残念ながら懐事情に余裕がなかったので、
この場合はお話をきくだけで終わってしまいました。
その2年後の平成7年のことだった思いますが
日本経済新聞の朝刊を開くと邱さんの仲介で
合肥日立掘削機有限公司という会社が
設立されたことを報じる記事が目の中に飛び込んできました。
出資者は日立建機、中国の油圧ショベル製造会社である
合肥砿山機器廠、三菱商事、それに邱永漢事務所の4者で、
出資比率がそれぞれ55%、25%、10%、10%であった
ように思っています。
たまたまその翌年、私は退職金を手にしましたので、
その使い道の一つとしてこのパワーショベル製造会社の
株のことを思い出しました。
そこでこの関係の仕事を担当されている人に
「あの合肥のパワーショベルの会社の株は買えませんか」
とききましたが、
「いやあ。あれはもう皆にいきわたっていて
お回しするものはありません」と一蹴されてしまいました。
といってこの会社への関心が薄れたわけではありません。
この会社が設立したときのデータを調べてみると、
生産目標が1996年には900台/年
2000年には2000台/年となっていたんですね。
それから7年たった昨2002年、
このホームページで邱さんがこの会社と、
その販売会社である日立建機(上海)有限公司の
現況について説明がありましたした。
それによると、生産を開始してから5年たったそうで、
「最初の頃は中国の事情がよくわからず、
色々と試行錯誤のくりかえしでしたが、
昨今は漸く軌道に乗り、昨年(2001年)は国内1800台、
輸出が200台を越え、フル生産で在庫が1台もない
という好調が続いています。
2001年度にはじめて2割の配当ができるようになり、
恐らく進出した外国企業で上海上場のトップを
切るのではないかと期待されています。」
(第782回「黄浦江から見る夜の上海は別世界です」)
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