| 第167回金儲けの上手な人は儲かる商売を見つける人です
 以下は平成8年に出版され、いま知恵の森文庫から発刊されている
 『生き方の原則』の冒頭の文章の抜粋です。
 「私はよく、自分の本を人に差し上げるときに、『お金儲けのうまい人とは、
 お金の儲かる商売を見つけることがうまい人のことである』
 と本の扉などに書く事があります。
 一見何でもないようなことのように思えるかもしれませんが
 じつは、この儲かる商売、
 儲かる仕事を見つけるということは、
 自分の仕事や商売を作り上げていくために、
 とても大事なことです。
 世間では、『どんな仕事でも一生懸命努力すればうまくいく』と思っている人が多すぎるようです。
 そのためについ、見込みのないことに打ち込み、
 失敗する人があとをたちません。
 このことは魚釣りにたとえれば、一目瞭然です。海釣りであれ渓流釣りであれ、釣り人というのは、
 これはと思う穴場を目指して朝早くから出掛け、
 日がな一日釣り糸を垂れて、
 思い通りの成果が上がれば得意満面だし、
 なければ、家族に夕飯のおかずは任せておけなどと言った手前、
 ひそかにマーケットに寄って、などと
 苦心しながら釣りの生活を楽しんでいます。
 そういう人の釣り方に水を差すわけではないのですが、どうしたら釣りが上達するかといえば、
 その鍵は釣りの技術よりも魚の居場所を探し出すことにあります。
 つまり、いくら釣りの技術、竿や糸や針の扱いにたけていても、
 魚の通り道にいって待ち構えていなければ、
 魚は釣れるものではありません。
 では、どうしたら魚のいるところがわかるのかといえば、それは、経験的にわかるとか、勘が働くということでしょう。
 どこにいけば魚がいるかわかっていれば、少々怠け者でも、
 お粗末な釣り竿しか持っていなくても、魚は釣れます。
 魚のいる場所も知らずに朝早くから行って、
 いくら努力しても、後からのんびり来て、
 魚のいる場所を知っている人にはかなわないのです。
 しかも、魚の通り道というのは、いつも同じとは限りません。
 むしろしょっちゅう変わっていると言ったほうがいいでしょう。
 ですから、魚のいなくなった釣り場で、
 必死に竿を繰り出しても無駄ということになります。」
 (『生き方の原則』)
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