第162回
“生き残れない商売の五条件で廃業を決めました”
私は邱さんの本はほぼすべて読んでいますが、
組織社会の中で生きるコースを選んできましたので、
本を読んで参考になった、役に立ったということになると
どうしてもその立場からの体験になってしまいます。
ご承知の通り、邱さんは自分の知恵と才覚一つで
生きている独立自営の生き方に価値をおく人です。
邱さんの作品はそうした生き方を
求められている人たちに向けたものが多く、
読者もそうしたコースを歩んでいる人が多いようです。
そうした立場にある人は私などとは
別のところで、邱さんの作品を参考にされています。
今年の1月の中旬、そうした方のお一人で
福岡市周辺で事業を経営されている方から、
私のところにメールが届きました。
「始めまして。私は58歳で自営業をしており
邱先生の熱心な信者です。主な仕事は中国から
石材や食品の輸入を業務としています。
いつも邱先生の体験談、講釈を読ませてただき
ありがたくお礼申し上げます。
今回、戸田さんに一筆書いていただきたいことがあり
お便りをする次第です。
私は以前福岡で鉄工所を経営しておりました。
8年ほど前、邱先生とご一緒に2年続けて
中国も案内いただきましたが、
私が100年近く続いてきた鉄工所に見切りをつけ、
事業転換をすることができたのは
ほかならぬ邱先生の著書のおかげなのです。
先生の著書『企業家誕生』の132ページに
『(1)人材を集めきれない業種
(2)日進月歩の合理化を要求される業種
(3)自分で値決めの出来ない業種
(4)利幅の小さい業種
(5)大企業と競争できない業種
はどんなに腕のよい人がやっても
悪戦苦闘をしいられることが多いのである』
と書かれています。
私はこの文章に目を通したとき、
体中がズーンと身震いをし、眼から鱗そのもので、
以来、先生の著書を集められるだけ集めて
取りつかれたかのように読破してきたのです。
福岡ですから、戸田さんの勤めておられた
新日鐵からの仕事も数多くこなしてきましたが、
上記の五つの条件をしっかりと頭に叩きこんだお陰で
難を逃れることが出来ました。
決断後、工場用地を全て売却し、借金も清算し、
おまけに福岡市内の一等地に、
倒産した生命保険会社のビルを購入し、
昨年リニュウアルし、いま、テナント募集が出来るところに
たどりついたところです。
日本の企業の9割は中小企業です。
その大半が倒産の崖っぷちをオタオタ歩いているのが現状です。
先生のホームページはきっと多くの中小企業の社長も
見てらっしゃるに違いありません。
どうかこの五つの条件を紹介して下さい。」
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