| 第143回43歳の頃の邱さんは若々しい年寄りを目指していました
 昭和42年、43歳頃の邱さんは『サンケイ新聞』に「年をとらない法」を連載しました。
 その6年後に書いた『成功の法則』で
 この「年をとらない法」にふれながら、
 次のように書いています。
 「年をとるということは、人間が死ぬことと同じくらい確実なことであって、
 したがって年をとらない方法がないことは誰でも知っています。
 それなのに、この題を見て、誰も笑わないのは、
 人間の年齢と人間の容貌や物の考え方は必ずしも一致しないし、
 年に比していつまでも若々しい人が
 現実に私たちの周囲にいるからであります。
 そういう人の若さの秘訣はどこにあるかを知りたいのは人情の常であり、またそうありたいと願うのも人情であります。
 私はそれを
 (1)50歳を過ぎてから絶対に
 経済的な破綻をきたさないようにすること
 (2)健康であること、しかし健康の秘訣は
 仕事が順調にいっていることと、時代の先端をいくような
 新規の事業に手を出して頭を痛めること
 つまり精神的な刺激が必要なこと
 (3)オシャレをすること
 (4)年をとったら、あんなジイさんになりたいなあ、
 と若者から思われるような思想の持ち主になること
 と思っています」(『成功の法則』)
 この4つを邱さんはそのまま自分の「人生目標」にしていたのではないでしょうか。
 ちなみに、邱さんがサンケイ新聞に書いた
 「年をとらない法」は「人生後半のための経済設計」と題して
 昭和45年に『お金の値打ち』という本に収録され、
 その後昭和49年に出された『新・お金の値打ち』にも収録され、
 昭和58年にはエッセイのタイトルがそのまま本の題名になって
 『人生後半のための経済設計』という本が出されました。
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