第131回
口コミの一端をかってくれるような友人は宝です
私は八幡製鉄所で新規事業企画を担当した頃、
世話をしたり、世話になったりした人たちにも
本が出ることを連絡しました。
気心の知れた人たちですから、
あれこれ説明しなくても通じます。
いま東京で活動している友人は
「わかりました。買わせてもらいます」
といって応じてくれ、
すぐに折り返しの連絡があって、
「戸田さんのサインを入れた本を10冊至急送ってください」
ともいってくれました。
また北九州市の現地で活動している友人は
最寄りの本屋さんに申し込みをしてくれたようで、
出版社の人から
「北九州市の戸畑から注文が入っています。
本を売り出す前から予約の注文が入るなんて、
こういうことははじめてですよ」
「いやあ、お願いした人しか買ってもらえなかった
ということになるかもしれませんよ」
と言い笑ったことでした。
そのほか頼めばすぐ応じてくれそうな友人を選び
私は出版のスケジュールを確かめながら、
その一週間くらい前から本の発売について連絡しました。
そうした連絡をした人に、私が新日鉄の新入社員時代
製鐵所の独身寮で起居を共にした友人がいます。
彼は私と同じ年に入社した一人で、また彼の奥さんは
私と同じ職場で席をならべて仕事をしていました。
そんなことで自分が結婚したときは
私は披露宴の司会をお願いし、
一方彼らの結婚式のときには、
私が披露宴の司会役を引き受けました。
彼に電話すると、わかったよと応じてくれ
売り出しの当日、昼の時間に電話を入れてくれました。
「五反田の大きな本屋で見つけたぞ。
定年コーナーに陳列されていた。立派なもんだ。
おめでとう」と、わざわざ、連絡してくれました。
彼はフィナンシャル・プランナーの資格をとり
いまときどき人の相談に乗っているとのことで
その後にいただいた年賀状のなかで
「口コミで本の宣伝をしまくってあげてるよ!」
と書き添えてくれました。
こんなことを言ってくれる友人は宝ですね。
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