第130回
お客さんへのサービス精神は徹底させましょう
商品を売るには口コミに乗るようにするのが
大事だということが分かりましたが、
口コミで人伝えで話題になっていくようにしていくには
当事者としての働きかけも大切ではないでしょうか。
私には新規事業の企画に奔走した北九州市で
活躍する友人が何人かいます。
その一人が田舎庵といううなぎ料理店と
柚明太子店を経営している緒方弘さんです。
緒方さんは、家業のうなぎ料理店を拡大し、
地元の曽根というところで採られる天然うなぎを購入し、
天然うなぎを養殖うなぎと同じ値段で売り、
また天然うなぎの味を追及して、
「うなぎ茶漬け」という新商品を開発しています。
その様子がNHKの教養番組で30分近くも紹介され、
私は番組放映を拝見したあと緒方さんに電話をしました。
ご母堂が電話口に立たれ、私はご母堂に
「緒方さん、日本のうなぎ料理の代表選手になられましたね」
と言いましたら、相好を崩して笑われました。
さて、その緒方さんに、私は出版が決まり、
邱さんが激励の言葉を添えてくださることが決まった直後に
その旨を伝えました。
「あ、そうですか。それはよかったですねえ。
戸田さんが書いて、邱さんのお言葉が添えられたら買いですね」
と返答し、しばらく間を置いて、
「100冊買います。その旨、出版社に伝えてください」
と言って私を元気づけてくれました。
そういうやりとりがありましたので、
いよいよ本の発売が始まったとき、
出版社にその旨、念押ししましたが、
出版社としては、書店経由で購入してほしい、
というのも、本屋の棚に並べておく期間が長ければ長いほど
多くの人にふれて、売り上げが立つ可能性が高くなると言います。
であるなら、出版社から直接本を送って欲しいという
注文主に事情を説明し、その趣旨を伝えて欲しいと
私は出版社の人に迫りました。
出版社の人は最初、ためらいを感じられたようですが、
そのあと、当人に電話をしてくれました。
本がなかなか売れない時代、
お客さんへのサービスに徹した行動が必要ですね。
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