| 第129回邱さん曰く「PRにはクチコミが一番です」
 邱さんは『商売の原則』という本で本を売るノウハウについて書いています。
 「本を売るのにいちばん効果的な方法は、
 『朝日新聞』や『読売新聞』といった全国紙に
 大きな広告を打つことです。
 ところが、この広告費が高く、半五版で500万円もとられます。
 広告費がふんだんに余っているならともかく、
 現実には限られた予算の中でやらなければなりません。
 それに新聞の広告は、高い料金のわりには効果がいま一つなんです。
 たとえば『本を買う動機は何か』というアンケート調査によると、
 『店頭で見て買った』という答えが6割以上も占めている。
 新聞広告の効果は4割以下ということになります。
 ですから、本を売るためには店頭で
 目立つような本をつくるのがいちばんだという結論に
 達するわけです。
 そのほうが、広告費もずっと少なくてすみますからね。
 このように宣伝のやり方にもいろいろありますが、商品や業種によって、その方法は変えていかなければなりません。
 また宣伝だけ先行して
 内容のともなわない商品や商売は決して長続きしません。
 その意味でお客さんは正直なものです。
 自分が納得できないものは絶対に支持してくれません。
 逆にいいとなれば、こちらが頼まなくても宣伝してくれる。いわゆるクチコミというやつです。
 ほんとうは、最高の宣伝がこのクチコミなんです。
 クチコミ以上に強力で効果のある宣伝はありません。
 私の考えでは、最初から派手にアドバルーンをぶち上げるよりも、
 クチコミによってジワジワと客がふえてくるほうが
 商売としては健全だと思います。
 必要以上に宣伝などに神経を使わず、
 商売の中身を充実させること、実力をつけることに
 全力を傾けるほうがたいせつだということです。」
 こういうアドバイスは自分が書いた本をどのようにして売るか考えている私には参考になります。
 もちろんさまざまな商品を売りこむことを
 考えている人にとっても参考にもなるでしょうが。
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