Qさんは、かつて「知恵は借り物でも知恵である」と書きました
そういうことをおっしゃる人の知恵ならいくら借りてもモンクは出ませんね

第121回
邱さん曰く「人は他人の実際例に興味を持っている」

邱さんは『野心家の時間割』(PHP研究所)という本で、
人が初めての人に自分をアッピールする場合
「出だしの5分間で勝負が決まる」
文章を書く場合も「最初の書き出し」が肝心だ
と書いています。そして次の文章が続きます。

「自分が新人たちの原稿を見る立場になってみると、
本当の勝負は、書き出しの最初の3枚くらい、
読む人が忍耐を覚悟で読みはじめる最初の5分間に、
その人の心をとらえるかどうかに
かかっていると思うようになった。(中略)
シロウトの書いた文章を読んでいて、
最初の1章は不要だなあ、もっと刈り込めばよいのになあ、
と感じるような場面にしばしばぶつかる。
多くの場合、これは人がどんなことに関心を示すか、
に焦点があたっておらず、
人は他人の実際例に興味を持っているのに、
原理原則を語らないと本題に入れないという
間違った先入観にとらわれているからである」
(『野心家の時間割』)

はじめてこの文章を読んだとき、
そんなものかなあといった程度にしか
関心を払いませんでしたが、
この文章を再読したとき
邱さんは文章を書いたり、人前で話したりするなかで
このことを発見したのだろうなあ、
そしていまは、こういうことを心がけて
人前で話をしたり、文章を書いておられるのだろうな、
と少しばかり想像力が働きました。

私は、49歳から研修講師の仕事に転じ、
人前で話をする仕事に従事するようになりました。
私なども端的に事の本質を伝えたいという気持ちから、
ついつい原理原則を語りたがるところがあります。
しかし、原理原則は抽象的なことなので、
そのままでは、相手には伝わりにくいところがあります。
そこで、できるだけ自分の体験したことか、
他人が体験した事例を紹介して、補足するようにしますと、
皆さん、かっと目を開いて、聞いてくれるではありませんか。
そうしたことを下地にして
私は自分が実際に体験したことを
できるだけ具体的に書くことを心掛けました。


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2002年12月26日(木)

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