第107回
書きはじめたらいろんなことが頭に浮かんできます
立派な文章を書こうと身構えると、
一歩も前にすすめませんが
自分が体験したことを書くということなら、
出来不出来のことを別にすれば、
できないことではありません。
これまで体験してきたことを書き散らした
メモ風のものが手元にありましたので
それらに目次めいたものをつけ、
それらをまとめたら
本の輪郭のようなものができてきました。
ただ自分が書いてきたメモ風のものは、
自分が自分のために書いたものですから、
これを人に読んでもらうようなものにしなければなりません。
そこで人に読んでもらえるように言葉を書きたしていきます。
ところが翌日、見ると何を言おうとしているのか
私自身にもピンと来ないことがしばしばです。
そこで書き直しです。
そういうことがつづきましたが、
書きたいという気持ちがありましたから、
言葉を書く作業は続きました。
そして文章の内容がハッキリしてくると、
目次の構成もしっかりしてきました。
正月休みは“書き入れ”どきです。
当初は、本になるボリュームもの文章が書けるかなと
心配しましたが、書いているうちに、
ああいうことがあったぞ、こういうこともあったぞと、
いろいろな体験や思いが浮かんできます。
こうして気がついたときには
文章は一冊の本になるくらいのボリュームに近づき、
ゴールデン・ウイーク前には
ようやく一冊の本になる文章ができました。
できた原稿をプリンターにかけ、
印刷された原稿を出版社に届けました。
その後で、西澤さんに電話で打診をすると、
「なかなか面白かったですよ。
周囲に反対されながら、孤独に耐えながら一つのビジネスを
成功裏に立ち上げたところには共感を覚えましたよ」
といってくださいました。
|