Qさんは、かつて「知恵は借り物でも知恵である」と書きました
そういうことをおっしゃる人の知恵ならいくら借りてもモンクは出ませんね

第93回
邱さんのエッセンス本の版元を訪ねました

私は50歳になる直前から研修講師の仕事につきましたが、
その2、3年ほど前から世の中との接点を広げたいと
考えるようになりました。
自分が実際に社会と接している範囲は限られたもので、
この先、いずれ会社の看板をはずした人生がはじまるわけで、
そのためにも、この世に生きている人たちと
共通の話ができる場をつくっておきたいと思いました。

そのための一番の早道は本を書くことでしょう。
邱さんは『サラリーマン出門』という本で、
これから独立しようとする人に
盛んに本を書くことを薦めています。
このことが思い出されました。

ただ、自分はあれこれやってきたものの、
これが私の専門分野ですと、
世間にアピールできるものを
持ちあわせているとは思えません。
自分がやってきたことは、
それなりの意味をもっていたと今の私は考えていますが、
当時の私は体験の意味することを整理できていませんでした。

もっとも、私はサラリーマンならいずれぶつかる
「定年」の問題を30代半ばのころから自覚し、
「定年」の前後でへばってしまうことのないよう
生活設計と仕事の開拓の面で自分なりに努力してきました。
とくに、自分の人生の水先案内人として邱永漢さんを選び、
邱さんのアドバイスに耳を傾けてきたことは
かつて私が悩んだことと同じ悩みを持っている人たちには
参考になるのではないかと考えました。

そう思う私の脳裏に、一冊の本が浮かんできました。
『メシの食える経済学』です。
この本は私が邱さんの本を読み出して
4、5年たったころに出版されましたが
その頃には私はいっぱしの邱作品の愛読者になっていました。

私は邱さんの本なら、ためらいもなく買っていましたので、
この本も買いました。
ただ、この本は今まで読んだ邱さんの作品とどこか違っています。
どこが違うかと言うと、邱さんの本は
どの本も新しく書かれたものばかりなのですが、
この本はこれまで発表されてきた邱さんの著作から
作品を抜粋し、再編集した本なのです。
この本には抜粋した先の原典が記載されていませんでしたが、
私は収録されている作品の原典がどういう本で、
その本のどの辺に書かれているかまで見当がつきました。

こういう本なら私のようなものでもできると思いました。
私は邱さんの本からたくさんの知恵を学んできましたので、
その体験を活かした編集ができるのではと考え、
版元であるグラフ社という出版社を訪ねることにしました。


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2002年11月28日(木)

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