第85回
中国の会社の株を買う楽しみが生まれてきました
私が平成5年に見てきた中国の北京や上海が
昭和35年の日本とか昭和47年の台湾と
同じ経済状態にあるとすれば、
中国の証券取引所に上場されている会社の株を手に入れたら
同じことが体験できるかもしれないという連想が働きます。
というものの中国の会社は国営企業で
そうした会社の株を買っていいものかどうか不安が伴い
私などにとっては邱さんが、
どう見ているかが大きな決め手になります。
私はツアーから帰ったあと、邱さんが中国の会社の株について
いつ頃どのように触れられるのか、
その発言に注目していていました。
するとツアーに参加した翌年の平成6年、
邱さんが中国の株を推奨するようになりました。
まず実業之日本社が特集をくんだ
「'94中国・アジア株投資ガイド」に
「おすすめしたい前途洋々の中国株」が発表されました。
そして、中央公論社が出した平成6年7月号臨時増刊
「中国ビジネス徹底研究」で邱さんが
エコノミストの叶芳和氏と対談し、その内容が
「中国ビジネス成功への切り札」と題して載りましたが
邱さんの威勢のいい声が聞こえてきました。
「実はきのうも、上海の上場会社の一つを見てきたんですが、
ガラス屋さんですよ。日本では絶対考えられないことですが、
5億元の売上げに対して、計上利益が2億元。」
「日本ではガラスもだめですが、台湾はまだいいんです。
これが中国となれば、これから10年先、20年先ずっと、
建設ブームが見込めます。
それから多分、外国から入ってくるガラスやセメントには
高い税金をかけてくるでしょうから、その分、高い値段で売れる。
ですから、これからも高い利益が見込めるわけです。
もちろん、その分、配当もいい。」
「こんなことは30年前の台湾でもあったんです。
そのときの台湾のダウは500だった。
それが1万2500まで上がった。
その間ずっと株配やってましたからね、幾何級数的に株が増えた。
だから中国の株式は、
買ってそのままほっぽり出しておけばいいんです。
忘れていればいいんですよ。
株で儲ける方法は、相場を見ないことですから」と語りました。
また平成7年になると
月刊誌雑誌「宝石」の記者からのインタビューに対し、
「大体三割ぐらい配当しているところが多いですよ。
そのほかに増資をしています。
昭和30年の頃の日本と思えばいいですよ。
例えば上海の開発をしている不動産会社で、
上場されているのが三社あります。
一つが外高橋。もう一つが金橋。あとの一つが陸家嘴。
森ビルがこれから90何階建てを建てるところです。
いま話題になっている浦東というところは
だいたいシンガポールの島の大きさぐらいのところですが、
そこの土地を政府からもらって開発している会社です。
今から40年くらい前の
三井不動産と思えばわかりやすいでしょう。
そういう会社の株がだいたい70セントぐらいのものですよ」
(『狙いは中国のマンションと株』/「宝石」2月号)
と答えました。
邱さんの中国株投資開始宣言が出たと私は解釈し、
平成八年に入ってからガラス、セメント、エレクトロニクス、
不動産の株の順序で少しずつ
中国の会社の株を買うようになりました。
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