Qさんは、かつて「知恵は借り物でも知恵である」と書きました
そういうことをおっしゃる人の知恵ならいくら借りてもモンクは出ませんね

第83回
邱さんが昭和35、6年に書いた『会社拝見』を読みました

中国視察のツアーから帰り、
中国がこれからどう変わっていくかを考えるうえで
参考になるのは何だろうと考えて、
私は邱さんが昭和35年頃の日本をどう見ていたかを
確かめることにしました。

そこで邱さんの半自伝『私の金儲け自伝』(PHP研究所)や
『金儲け 発想の原点』(光文社)を再読しました。
そして邱さんが昭和34、5年頃
「日本人はよく働く」、
「生活レベルもだんだんに向上している」
「ひょっとするとこれから先、日本は世界の人が
目を見張るような経済発展を遂げるんじゃないか」と
日本経済の先行きに明るく
そして力強いものを感じとっていたことを再確認しました。

そしてこの際、邱さんが無名の会社の中から
将来性のありそうな会社を見つけてきて、週刊誌に書き、
投資家たちの間で大きな反響を呼んだという
会社探訪記「会社拝見」を読んでみたいという気になり、
国会図書館まで足を運びました。
国会図書館にはこの「会社拝見」が連載された
「週刊公論」がきちんと保管されていて、
私は邱さんの文章を読むことができました。

この連載で邱さんは次のようなタイトルで
成長会社を紹介しています。
「オートメーション計器〜山武ハネウエル計器株式会社」
(現・株式会社山武)
「日本地図を書きかえる企業〜三井不動産株式会社」
「花ひらく整流器メーカー〜オリジン電気株式会社」
「ミルクいっぱいの成長会社〜雪印乳業株式会社」
「石油化学ブームの推進力〜千代田化工建設株式会社」
「からっ風が生んだプレス機械〜株式会社小島鉄工所」
「真白きトイレット産業〜東洋陶器株式会社」
(現・東陶機器株式会社)
「金属関係の技術センター〜理研ピストリング工業株式会社」
(現・株式会社リケン)
「オリンピック産業の本命〜佐藤工業株式会社」
「トランジスタ時代の裏方〜ミツミ電機株式会社」
「土木機械に花が咲く〜日特金属工業株式会社」
(現・住友重機械工業株式会社)」
「好況を呼ぶ虹の架け橋〜株式会社宮地鉄工所」
「背広で稼ぐ30億円〜樫山株式会社」
(現・株式会社オンワード樫山)
「足を制するもの天下を制す〜千代田シューズ株式会社」
(現・チヨダシューズ株式会社)
「日本を被う電線の網〜日立電線株式会社」
「荷役運搬の合理化を目指す〜東洋運搬機株式会社」
(現・TCM株式会社)
「技術革新を支える黒い企業〜日本カーボン株式会社」
「白の魅力を作りだす企業〜石原産業株式会社」
「アルミは文化の尺度なり〜日本軽金属株式会社」
「はじまった事務機械革命〜理研光学工業株式会社」
(現・株式会社リコー)
「気のつかぬ場所で稼ぐ企業〜日本オイルシール工業株式会社」
(現・NOK株式会社)

邱さんが大連でふれた小島鉄工所もとりあげられていますが
全体として不動産の開発、建設、石油化学、産業機械、事務機器、
電子部品、食品産業など日本経済のさまざまな分野で
大きな変化が起こりつつあると
邱さんが見ていることがわかりました。
そして、これから中国でも同じように経済のあらゆる面で
大きな変化が起こっていくのだろうなあと思いました。


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2002年11月18日(月)

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