Qさんは、かつて「知恵は借り物でも知恵である」と書きました
そういうことをおっしゃる人の知恵ならいくら借りてもモンクは出ませんね

第82回
北京でも不動産の価値を決めるのはロケーションです

大連のあとは天津の視察です。
天津で邱さんは、天津港の保税地区で
中小企業向けの倉庫を建てる計画を建て、
その予定地に立ってご自分の構想を熱っぽく語られました。
最初のころは、私はこの倉庫の話に一枚かもうかと
思っていたこともあり、邱さんの話に耳を傾けましたが、
そういう風景を見て、私は邱永漢という人は新しいことに
取り組むのが根っから好きな事業プランナーだと思いました。

天津からは参加者はできたばかりの高速道路をバスで走り
約40分後に北京に着きました。
北京について一行が向かったのは
朝陽区の亮馬川という川のほとりにある
外人居住用のマンション建設予定地です。
私などもその一室のオーナーになるつもりにしている
マンションが建つ場所です。

このツアーには、私が香港を訪ねたとき案内してくださった
ケ耀明さんが参加していました。
さんは、この北京のマンションの設計にも
かかわっておられたようで、
邱さんはさんに確かめつつ、楽しそうに
マンションを建てる区画を説明しました。

私はこのマンション建設地が北京市の中で
どういう位置にあるのか、よく頭に入っていませんでした。
多分、このツアーに参じた人も同じだろうと思い、邱さんに
「日本の友人に北京にできるマンションは
どのへんにできるのか、ときかれたらどう答えたらいいでしょう」
とたずねました。
すると邱さんはすかさず「御堀端」と答えられました。

邱さんはこのツアーに参加されていたナカノコーポレーション
社長の米山卓さんを指しながら
「この人はいま東京の皇居、
御堀端のマンションに住んでおられます。
いまは社長で忙しいけれど、
いずれ会長になったら時間ができるので、
そのときはときどき北京にきて過ごしたいということで、
このマンションの部屋を手に入れるつもりらしいですよ」と
いたずらっぽく話されました。

中国では土地は国有で、その香港にならって居住権が
売買の対象になっていると聞いていましたが、
居住権の値段の高低を決めるのはやっぱり
ロケーションだなあと思ったことでした。

さて、この日の夜はマンション予定地近くにある
ケンピンスキーホテルというデザインのすぐれたホテルに泊り、
翌日は香港に向かう邱さんご夫妻にお別れをして、
参加者たちは、観光客が必ず訪れる
北京の名所旧跡の見学に興じることになりました。

こうして私の初めての一週間にわたる中国旅行が終わりました。
このツアーは邱さんという無類の名ガイドに連れられ、
変わりつつある中国経済の実情を見てまわり、
またホテルも一流で、しかも参加者は個性豊かな人ばかりで、
こんな楽しい旅は、はじめてでした。
これから中国大陸がこの先どんな変化を遂げていくのか
見守ることにしようと考えて帰国したことでした。


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2002年11月17日(日)

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