| 第72回どの銘柄を買うかを自分で考えるのが身のためです
 はじめて株を買うときは、右も左もわからないから、身近にいる経験者に道案内してもらうほかないけれど、
 そうした段階は早く卒業して、どの株を買うかは
 自分で決めるのが得策であると邱さんは書いています。
 是川さんも同じ意見の持ち主でした。
 このことは裏側から見ると
 株を買う人で自分では銘柄を決めずに
 他人の判断に委ねている人が多いことを
 示しているのはないでしょうか。
 一般に私たちは、本当は自分で決めなければいけないのに、判断を他人に任せていることが間々あります。
 決めることには労力がいりますし、
 決めた結果は自分の身にふりかかってきます。
 その点、判断を他人にゆだねると、
 楽だし、結果が思わしくないときは、
 「あいつの判断が間違っていたんだよ」と
 良くなかった結果をその人のせいにできます。
 しかし、本当は「あいつの判断が間違っていた」のではなく「そういう人に判断を委ねていた自分が間違っていた」と
 考えるべきなのでしょうね。
 そのことに気づかず、人の判断ばかりに頼っていると、
 本来自分が決めるべきことを
 自分で決められなくなってしまうでしょう。
 そうではなく、自分のことは自分で決めるようにしていけば判断が間違ってソンをしても、自分なりに反省し、
 失敗の体験をその後に生かす可能性が出てきます。
 そこに実力向上の可能性が生まれてくるでしょう。
 邱さんは他に転嫁できない状態に置くのが身のためだというのは
 こうした意味からではないでしょうか。
 邱さんはよく「自分で考えて自分で決めよ」といいますね。たとえば「定年のない人生は自分で選べ」とか
 「自分の財布は自分で守れ」とか。
 万事、自分で考えて、行動して、その結果を甘受し、
 次の行動に生かすという姿勢が生き方の中に貫かれています。
 「どの株を買うかは自分で決めるのがいい」というのも
 何事も自分で考え、行動していくのが一番いいという
 人生態度に根ざすものでしょうね。
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